【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -21章- 護りたい貴女、守りたい約束。

1076話 見つけた“否定”手段 ページ46

青天の霹靂。身の回りで購入でき、今からでも行える方法。3人は目を見開き固まる

それが理解出来ていないと感じた寂雷は説明を続けた


｢アルコールの作用で理性を司る大脳新皮質の活動が低下し、本能や感情を司る大脳辺縁系の活動が活発化にします。そうすれば、理性で抑えている感情が現れる｣

｢で、では……その状態のAさんに質問すれば……｣


銃兎の問いに寂雷は頷く


｢彼女自身の答えを教えてくれる筈です｣


これで“否定”が出来る。嬉しさや安堵等様々な感情が胸で混ざりながら理鶯は立ち上がり、寂雷へ深く、深く頭を下げた


｢感謝する神宮寺。これで彼女の本心を知る事が出来る｣

｢いえ、私は医師として、彼女の友人として手を貸しただけだよ。ところで、Aさんは？君達の家に居るのかい？｣

｢今日は伊弉冉さんと観音坂さんの家にいます。この事は彼女に伏せているので、自然にシンジュクへ来れるようにお邪魔させているんです｣

｢あのリーマン、俺様が頼んでる最中に喜んで受けやがったからな。逆に不安だわ｣

｢ふふ、因みにだけど独歩君はどうやってAさんをシンジュクに呼ぼうか診察の度に私に聞いていたよ｣

｢やっぱ不安だ。行くぞ銃兎、理鶯。何されてるか分かったモンじゃねぇ｣


治らない過保護であるが、普段大人しいのにキレるとあの左馬刻相手でも怒鳴る独歩だ。左馬刻にとっては何しでかすか分かったもんじゃない。
2人を引連れ帰る準備を始めたのを見た寂雷は、手を前に出して彼らを止めた


｢待って下さい｣

｢あ？どーかしたか？｣

｢先程の話ですが、加減を間違えれば命に関わります。前回と同じ様に、私もその場に居させてくれないかい？｣

｢あー……確かにそうだな。態とアイツを酔わせる訳だから、下手すりゃ死んじまう。頼むわ｣

｢ありがとう｣

｢こっちこそ悪ィな。決勝トーナメント前で忙しいだろ？｣

｢大丈夫だよ。Aさんの事だからね｣


リーダー同士の会話を聞いていた銃兎。少し思案する仕草を見せると、一瞬だけ険しい表情になって2人へ提案した


｢今日、伊弉冉さんと観音坂さんは仕事が休みだと言っていました。………急ではありますが、その作戦は今日、彼等の家で行いませんか…？｣

｢どうしてだい？｣

｢……其方の方が自然と酒を飲ませる事も可能でしょうし…………も、もし……彼女が怒りで暴れても、人数が多い方が押さえられます……｣


その震える声は恐れている様な弱々しさが響いていた

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