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1072話 俺ら3人でMAD TRIGGER CREWだろうがァッ!! ページ42

「……今まで彼女は心の底から笑ってくれていた…楽しんでくれていた……ッ。そう……信じたかったのだ……」


グッ……と力が込められる音が、理鶯の拳から鳴る。震え続ける拳は、止まれずに彼の心情を表し続けていた


「だが何処を調べても、彼女の心は作られたモノだと突き付けてくる……ッ!!!───…だから……貴殿らだけには…本物だと、信じて欲しかった……」


理鶯の出来る最大限の否定は、仲間に言わない事だった。この事を言わなければ、Aの心は本物だと自分以外には認識出来る。言わば、形は違うがシュレディンガーの猫に近い状態。それをするしか方法が無かった

自身が彼女の心が作り物である可能性を知っていても、周りが本物だと認識すれば本物になり得る。自分以外がパンドラの箱の蓋を開けなければ、本物作り物何方の可能性も重なっていると無理矢理定義した

彼女自身もきっと自分の心は本物だと認識しているし、周りも疑わない。
そしてそれは現段階で調べられた範囲での事。誰かに箱の中身を見られる前に、作り物の可能性を潰すべく調べ続けていた




───独りで抱え、戦っていたのだ




「これは貴殿らに対する裏切りだと認識していた。しかしそれを理解しても尚、隠す事を決めた。すまない……貴殿らの怒りは妥当だ。何も弁解はしない」


真剣な面持ちで仲間の2人を見据える理鶯。その様子は再び仲間からの制裁を待っている様にも見えた
それを感じ取ってか否か、左馬刻は煙草を携帯灰皿に押し消し理鶯へ近付く


「理鶯ォ……やっぱ歯ァ食いしばれや……」


王の怒りはご最も。理鶯は命令のまま歯を食いしばり、静かにその時の為に構えた


「──ッ、オラ゙ァッ!!」

「──!?グッ!?」


理鶯の胸倉を掴み、怒りそのまま引き寄せると本気の頭突きをかました左馬刻。予想外な行為に理鶯は重い声を抑える事が出来ず、痛みで表情を歪ませた

痛みに慣れはあれど、額の痛みは想定外。歪んだ表情で王を見やれば、額から一筋の血を流してナイフの如く鋭く睨む紅とかち合う

怒りの王は何度も見てきた。なのに目の前の王から何処か力強い美しさを感じた理鶯は思わず息を呑み、見惚れる様に目を丸くして見つめてしまう。すると静かに王は問うた


「……テメェにとって俺らは力不足か?」


何たる愚問。
だが理鶯の口が動く前に、王の言葉が先に刺す



「────何勝手に独りで抱え込んでいやがったンだクソダボがッ!!俺ら3人でMTCだろうがァッ!!!」

1073話 One for All.All for One.→←1071話 見てしまったモノ。



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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