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1066話 集中出来ない若頭 ページ36

バンッ!!!とテーブルを強く叩き怒鳴る左馬刻だが、子供の様にはしゃぐ舎弟とAにとってはもう怖くない。若頭がわんぱくな子供の相手をしている親みたいにしか見えず、いつもの迫力が失われてしまったのだ


イライラオーラ全開な彼だが、理鶯は恐れる事無く近付き頬笑みを浮かべ、ゲームを再開した彼女達を見やる


「随分と部下達と仲良くしている様だ」

「チッ、仲良くし過ぎて邪魔だわ」

「それにしては怒鳴るのみとは、貴殿も優しくなったものだな?」

「あぁ?テメェぶっ飛ばされてぇのか。“寛大な”“俺様が”許してやってンだよ」

「ふふ、そうか」


Aが絡めば甘くなるリーダーに理鶯は笑いが零れる。不機嫌に眉間に皺を寄せているが、何処か嬉しそうで安堵の色が混じった表情。それならば舎弟達も恐れなくなってしまうのも無理もない。そう感じていた


「つーか、何しに来たんだよ」

「銃兎からAがここで遊んでいると聞いてな。どう過ごしているのか気になったのだ」

「締まりが悪くなって幼稚園になったわ。ったく、どいつもこいつも……」

「部下達に嫌われるよりは良いのではないか?」

「そうだけどよ……俺様の身にもなって欲しいわ」


何故こうも仲良くなってしまったのか。左馬刻と理鶯は分からなかったが、言わばAは舎弟達にとって救いの女神である。

あの若頭が丸くなり、怒鳴る事があってもいつもの迫力は無い。理不尽な命令はあれども、彼女が絡む事ならまだ平和的だ。それに加え純粋で良い子を絵に書いたような性格なので、荒れた日常を過ごしてきた舎弟達にとってオアシス──救いの女神と言っても過言では無い存在になったのだ


閑話休題


Aが舎弟達と仲良くしている事を知れた理鶯は、もう用はなく野営地に帰っても良いのだが、親指だけで盛り上がれるゲームに興味を抱いていた。
ただ親指を上げるか上げないか、相手はどれ程上げるのか、ほぼ運任せなゲームなのに、そこに理鶯は戦略性を見出していたのだ


ワイワイ盛り上がっている彼女達に近付き、理鶯は声を掛ける


「小官もそのゲームに参戦しても良いだろうか?」

「ブハッ!?」


奥でリーダーが吹き出しているが、全く気にしない軍人。断る理由の無かったA達は勿論受け入れ、賑やかな声の中で一際低音で響く“いっせーのーせ”がより若頭の集中を削いだ事は言うまでもない






────後に職務を終えた警官が訪れ、シュールな光景に吹き出したのはまた別のお話。

1067話 うっかりな彼女→←1065話 仲良しな舎弟達と彼女



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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