1062話 優秀で凶悪なSP達 ページ32
「ハァッハァッ、こ、このクソアマァッ!!ちょこまかと逃げやがって!!」
「どう落とし前つけんだ、あぁ゙!!?」
影だった場所から抜け出したA達の前に、待ち伏せだったのか奇跡だったのか男達が待ち構えていた。全力で走ったのだろう、激しく肩で呼吸し汗だく。なんという執念深さ、それ程怒っているのかとAは顔を引き攣らせた
「マイクの弁償として体で払って貰おうかァ?」
「その前に隣の男が邪魔だから潰すけどォ」
リーダー的な男の手がAに伸びていく絶体絶命な状況。しかし目の前には色鮮やかな赤の柱。そのてっぺんには大きな翼を広げた守護神──朱雀が見下ろす。力強く聳え立つその門は朱雀門と呼ばれる、中華街の南の門。つまり────。
「暴行、脅迫および違法マイク所持で現行犯逮捕です」
ガチャン、と伸びていた男の腕に冷たく光る手錠が掛けられた。手錠を掛けた赤色の手の元を辿れば、不気味な程に綺麗な笑顔の銃兎。
隙間から覗く翡翠色は、手錠と同じ冷たい光を宿し男達を見下していた
「は、はぁ!!?ンで警察がいんだよ!!俺らコイツにマイク壊されてんだ!!捕まえるならこの女だろ!!」
突然の警察に捕まった男は血走った目で怒鳴る。仲間の男達は捕まるかもしれない恐怖に一歩、また一歩と後ろへ下がる
────が、それは途中で止められる
「おいおい、俺様のシマで好き勝手してんじゃねぇぞ……」
「貴様達に逃げる道などない」
凍りつく空気、肺が押し潰されそうな感覚が襲われる中後ろへ振り返れば、血の様に濃く瞳孔が開いた目と、絶対零度の蒼い目がゴミを見る様に見下ろしていた
「ひ、ヒィ!!?な、何でテメェらがっ!!!」
「ハッ、ここは火貂組のシマだ。居てもおかしくねぇだろ」
「銃兎、この者達をどうすればいい?」
もう逃げ道は無いと放心状態の男達。戦意が無いと判断した理鶯は、仲間に指示をする様に促した。一応警察の銃兎は笑顔を崩さず穏やかな口調を作り、男達へ悪魔の慈悲を与えた
「私は優しいので2つの選択肢を与えますよ」
「せ、選択肢…!!?」
「貴方達の持つ違法マイク、その入手ルートを洗いざらい吐け。そしてその妙な興奮状態、お前達ヤクの中毒者だろ。何処で入手したかも吐け。そうすれば、ちゃんと法的に裁いてあげますよ」
────もし拒否するなら……
その後の言葉は音にしなくても男達に伝わってしまう。死を悟った彼等は震える声で承諾し、大人しくなった
1063話 忘れてはいけない大事な事。→←1061話 全力逃走中の彼女と舎弟
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時