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1060話 条件反射な彼女 ページ30

左馬刻と銃兎しかいない筈だったのに、自然と当たり前に混じっていた軍人。気配すら感じられない、否、この軍人が紛れたとしても違和感を感じない程に仲良しな3人。通り過ぎる人達がつい見てしまうくらい賑やかではあるが、危機的状況なAと廉貞の耳には奇跡的に聞こえていない


今にでもAの腕を掴みそうなところ、間に入って庇う廉貞。相手を鋭く睨み、Aにだけ聞こえる様に小さく促す


「……お嬢、ここは私が相手をするので逃げて下さい」

『そんな事は出来ません…もし何かあったら組長さんに顔向け出来ません……!!一緒に逃げましょう…!!』

「ですが……」

「オイオイお前らでなぁに話してんだァ?」


面白い事は何一つ無いのにゲラゲラと愉快そうに笑う男達。その様子は異常で、ただナンパしてきた奴らでは無いと廉貞の勘が叫んだ。気付かれぬよう、懐に仕舞っていたマイクを握る

若頭程使いこなせないが、時間稼ぎにはなる。そう考えていると、目の前の男達はニタァ……と下劣な笑みを浮かべていきなりマイクを取り出した


「分かったぜぇ?女を逃がそうとしてんだろぉ?んな事させねぇよ、今日はこの女を持ち帰りだぁ!!ギャハハハハッ!!」

「っ、おじょ──」






─────ガシャンッ!!!






条件反射だった。

別に危機を感じて、なんてモノではない。ただ体が勝手に動いてしまった




シン……と静まり返る中華街。いきなり笑い声を上げ、マイクを取り出した男達に恐れる通行人達の喧騒がピタリと止む。
事件だと悲鳴と注目を浴びていた中、Aの右手は手刀となり男のマイクを持っていた側の手首に素早く打たれていた。その下にはマイクの面影すらない程に粉々になったマイク。
それは改造された違法マイクだから脆かったのか、Aの手刀の威力がとてつもなかったからなのか、今では判別できない。ただ分かるのは──────





『ヒィィイイーーー!!!逃げますよ額繋さぁぁんッッ!!!』

「お、お嬢ぉぉぉおお!!!?」



今すぐにこの場から逃げなければならなくなってしまった事だ。ここの誰もが状況把握が出来なくなり固まっていたが、Aの叫び声で漸く思考が戻ってきた。
マイクを壊された男達は怒鳴り声を上げながら、米粒サイズまで小さくなっていた2人を追いかけ始めた



見守っていた男達はというと────




「うむ、流石Aだ」

「いやマイク壊すかフツー……」

「あぁクソッ、追い掛けるぞ!!」

1061話 全力逃走中の彼女と舎弟→←1059話 何故か揃う3人



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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