1057話 初対面な2人、過保護な2人 ページ27
『───………あの……本当にすみません…』
「いえ、全部オヤジが言い出した事なのでお気になさらず……」
『凄い人ですね……火貂退紅さんって…』
「ははは……」
最後まで左馬刻と銃兎が反抗していたが、それでも押し通した退紅。廉貞を無理矢理スーツから私服に着替えさせ、Aと共にヨコハマの街に送り出されてしまった
昼のヨコハマは平日でも賑わっている。観光客や忙しなく歩く営業マン、様々な溢れかえる此処は中華街である
ほぼ初対面な2人。気まずい空気に苦笑いしか出来ない
さてこれからどうしたものかと悩んでいた時、空気を読んでか読まずかAから音が鳴った
ぐ〜〜………。
『…………』
「…………ふ、」
『いいいいい今の聞かなかった事に!!』
「ふふいえっ、すみません。ご飯にしましょうか」
賑やかな中華街でも、美味しそうな匂いに釣られてか盛大に鳴った腹の虫。隣の廉貞にはバッチリ聞こえてしまい、恥ずかしさでAは顔が林檎に。
「カシラ程食通では無いので自信はないんですが、私の気に入ってる店があるんです。如何ですか?」
『ほぉ!それは気になります!!是非行きましょう!!』
可愛らしいハプニングのおかげで肩の力が抜けてきた2人。自然な笑顔を交わし、中華街の中へと進んで行った。
──────後ろに鋭く睨み続ける若頭と警官を連れて。
「廉貞ェ………マジで少しでも変な気を起こしたら砂にしてやンよ……」
「全く……お前の上はどうなってんだ…。一応お前の舎弟だから信用はしてるが、何かあったらお前共々豚箱にぶち込むからな……!!」
「何で俺様まで……!!つーかテメェ、仕事どーしたんだ」
「あぁ?んなモン、目の前で事件が起こる可能性があんのに戻れるかッ」
異常な程に過保護な男2人。
退紅には最初止められていたのだが、“2人が助けを求めた場合を除いて、絶対に干渉しないのであれば尾行してもよい”と許可が下りたので建物の影に隠れつつ尾行する彼等。纏うオーラは近づき難く、たまたまこの場にいたMTCファンの人々が戸惑い、“ヤクザと警官が手を組み難事件を解決しようとしている”とあらぬ誤解を招いてしまってる事を知らない
「アイツら何処に行くつもりだ……?」
「此処からだと2人の会話が聞こえねぇな……。理鶯がいてくれたら盗聴器か何かを仕掛けてくれそうだが…」
「理鶯呼ぶか?」
「そうしたいが、ややこしくなる未来しか見えない」
1058話 “外”で立っている彼女→←1056話 哀れな被害者、額繋廉貞
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時