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1055話 この組長にしてこの左馬刻あり ページ25

「細けぇなぁ。俺が娘つってんだから娘だろ」

「絶対ェ認めねぇ!!ンな事言い出したら余計に狙われるだろうが!!」

「それを護るのがテメェらの役目だろ。あぁ安心しろ、俺も全力でサポートはするさ」

「変に面倒事増やすなゴラァッ!!!」


───あー、この組長にしてこの左馬刻ありか。
遠い目をした銃兎は1人腑に落ちてしまう。聞いた事ある様な暴論に、もうどうしようも出来ねぇと諦めた。そしてこの先の不安要素をどう排除しようか思案している所まで来ていた

Aはと言うと、疑いもせず飲んだ結果火貂退紅の娘になってしまったとオロオロ。毒は無かったが、縁が生まれるなんて誰が予想できようか。やはり次から気を付けなければと自分を戒めていた


「諦めろ左馬刻。昨日から来てる時点でもう俺らとの縁は出来ちまってんだからよ」

「そ、うかもしんねぇけど……」

「テメェの気持ちが分からねぇって訳じゃねぇが、過保護過ぎるのも考えモンだぞ?折角Aが向上心の塊なのに、その機会を奪ってんじゃねぇ」

「奪ってねぇだろうが……」


生きた歴が長い為か、段々と左馬刻が押されてきた。苦虫を噛み潰したような表情で睨む彼へ、退紅は休む事無く攻撃を続けた


「ハマを生きたきゃ、俺らの世界も知ってねぇと後々後悔すんのはテメェらだぞ?過保護過ぎて、いざコイツが1人の時に何か巻き込まれれば対応出来なくなる。護りてぇなら、A自身も育ててやれ」

「ぐっ………」

「火貂組に関わって無かったとしても、お前と関わってる。その時点で同じだろうが」

「ッ………」

「言っとくが、Aはお前らが思ってる以上に自立してやがる。何にも出来ねぇガキじゃねぇ。だが世の中の事を知らねぇ、そこが致命的だ」

「………。」

「今のコイツの世界はお前らしかいねぇ。それでお前らが教えた所で実際に起こらねぇと育つ訳がねぇよ。お前らのガキの時はそうだったか?」


完全に言い負かされた左馬刻は黙ってしまい、そのまま俯く。
──確かにそうだ。俺は妹がいたが、護ってくれる大人はいなかった。だから手探りで学んでいき今がある。1人でも生き抜く力を得たんだ

左馬刻は静かに抱き寄せていたAの顔を覗き込む。視線に気付いたAが見上げたので、必然的に吸い込まれる程に澄んだ青色が彼を映した

次に左馬刻は仲間を見やる。昨日はあんなに取り乱していた彼も、既に腹を括っていた様で何も言わず頷いた。


「はぁ……わぁーったよ…」

1056話 哀れな被害者、額繋廉貞→←1054話 火貂組組長の暴論



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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