1053話 火貂組の舎弟達は驚愕する ページ23
『あっ!こんにちわ左馬刻さんっ!』
左馬刻の怒鳴り声も聞こえてないかの如く呑気に笑うA。勿論舎弟達は刷り込まれた恐怖心で姿勢を正して立ち上がっている
あの若頭がキレている。本来は痺れた空気になり、1歩間違えれば死人が出てしまう恐怖の空間になる筈なのだが、それを相殺する有難い存在が今回はいた
『左馬刻さんっ、今回遅れてしまってすみません!コレ、お弁当です!!』
舎弟達の目にキレている若頭に近付く命知らずに見えているが、Aは全くそんな事を感じていない。早く自分の仕事をしなければという責任感で彼に駆け寄り弁当を差し出した。
イライラMAXの左馬刻。じーっと何も言わず渡された弁当と、屈託の無い笑顔を浮かべるAを交互に見てから舌打ち
「チッ、遅せぇんだよダボ。忘れてんのかと思ったわ」
『す、すみません……!!実は朝に届けようと思ったんですが──』
「Aさん、ここは私が説明します。
悪いな左馬刻。Aさんをお前の所に送る直前に職場から緊急の呼び出しがあってな。急遽予定変更したんだ」
「はぁ?なら連絡ぐらい寄越せやうさポリ」
「何度もしたぞボンクラ。事務所に忘れてんじゃねぇよ……」
そんな馬鹿な。直ぐにポケットに手を突っ込んで確認したが確かにスマホが無い。自身のテーブルに目をやると、ちょこんとスマホと煙草が置かれている事に気がつく。どうやらスマホまで忘れ、ヤニ切れの所為で気付かなかったらしい
物に当たりたい程にイライラしてきた左馬刻は青筋を立てたが、それを察知したAが抱き着いてきた事により思考がフリーズした
「ッ……!!?」
「ほう…?」
舎弟は大口を開け絶句し、退紅は興味津々で様子を窺う。そんな中でAは左馬刻を見上げ、にへら…と解ける笑顔を見せた
『忘れ物をする程にシノギが大変なんですねっ。お疲れ様です!!』
「ぅぐ……。すぅ……はぁ……ッ」
眩し過ぎる笑顔が見れなくなった左馬刻は、天井を仰ぎ手で目を覆う。深呼吸をすれば胸が満たされる感覚がして、彼女は煙草以上のリラックス効果を感じられると左馬刻はAの目を見ながら頭を撫でる
「おう……ありがとな」
『えへへ。今日もお肉入ってますから、昼からも頑張って下さい!』
あの若頭が怒りを沈めてさらにはお礼だと……!?と驚愕する舎弟に、チョロいリーダーに唇を噛み締めて笑いを堪える銃兎。様々な表情を見せる彼等に、退紅はハハハッと高らかに笑い声を上げた
1054話 火貂組組長の暴論→←1052話 火貂組の事務所にて
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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時