1043話 ショ■ジキに言おう ページ13
理鶯の悲痛な訴えは、Aの心に届いた。だが本人の意志とは別に、モヤモヤする様な形容し難い不快感が彼女を襲っていた。何故そんな感情を抱くのか、戸惑いながらも理鶯の言う通りだと彼女は空いた手を理鶯の背中に回した
『すみません……理鶯さん……』
「こちらこそすまない。手加減はしたつもりだが、それでも痛かっただろう?」
ゆっくりと離れた理鶯は、自身が叩いた頬に優しく手を添える。そこは腫れてはいないが、少し赤くなっていた。未だにジンジンとする痛み。Aはその頬側に視線をやりながら口を開かせた
『いえ……こんな痛み、理鶯さん達に比べ────いや……ちょっと痛かった……かな…?』
無意識にだが又しても相手に合わせた発言を口にしそうになり、途中で本心を言い直した彼女。慣れないのか赤かった頬がより赤く、それが反対の頬にまで広がっていた
そんな姿が健気で愛おしく思った理鶯はクスリと微笑み、その頬を撫でてから唇を近づけた
────chu、と綺麗に鳴ったリップ音。
銃兎はその行動に面食らい、背を向けていた左馬刻も音で大袈裟な程に大きく振り返った
「ふふっ、すまない。早く痛みが引くようおまじないを掛けておいたぞ」
「おまじない、じゃねぇだろッ!!何どさくさに紛れてキスしてやがんだァッ!!」
「む?何かいけなかったか?」
『りりりりおさんっ!!!?』
「照れているのか?ふっ、相変わらず愛らしい」
「今の流れで何故その行動に移れるんですか!!貴方のマイペースさ羨ましいですよ全くッ!!」
「2人共何故カリカリしている?腹が減ったか?」
「イライライコール腹減ってんじゃねぇんだわ!!」
重苦しかった空気もあっという間に賑やかで楽しい空気に変わった。3人の表情も明るく戻り、取っ組み合いまではいかないがいつもの仲良しな口喧嘩に発展する
マイペースに首を傾げる理鶯に、羨ましい気持ちが抑えられず噛み付く銃兎と左馬刻。そんな3人の横顔が可笑しくてついAは小さく吹いた
「おうおう、随分と賑やかになってんじゃねぇか、お前ら」
スゥー……と戸が開かれると、ダンボール箱を持った廉貞と神崎を引き連れた退紅が笑いながら戻ってきた。その箱は重いのか、少し険しい表情の2人。退紅が「そこのテーブルに置いてくれ」と促せば、ガラガラガシャガシャ音を立てる2つの箱がA達の前に置かれる
箱の中は靴や鞄やキーホルダー等、様々な小道具で溢れかえっていた
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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時