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1041話 理解不能、理解不能。 ページ11

叩かれた。叩かれたが、何故。何故叩いた?





今までそんな事無かった。でも今起こった





Aは口をハクハクとしながら答えを探す。しかし彼女の脳はエラーという名の拒絶を見せ、辿り着けなかった
ならばと目の前の人物の表情を観察し、どんな感情なのかを考えた


『え……と……お、こってる…から……』


絞り出した言葉は喉が震えて上手く出なかった。
それでも彼には答えとして捉えられた様だ。と言っても彼女が導き出したのは正解と似て異なるモノであるが


「では何故怒ってるか分かるか?」

『ぇ……と……』


怖い。

怖いけど、自分が何かをしてしまったんだ……。だから怒ってるんだ……。でも何で怒らせたんだ…?
Aは分からず、ゆっくりと顔が俯いてしまう。脳を働かせる為に瞳が左に動いたり、表情を険しくなる程に力が入るが、結局辿り着けない


「どうしたA」


酷く冷たい声が、自身を糾弾する音にしか感じれない。頭に銃口を突き付けられてる様な、窮地に追いやられている感覚。早く答えを見つけないと。Aは必死に頭を回転させる


すると答えが出せないと判断したのか、理鶯は少し温かみを帯びた声色でAへ尋ねた


「………小官が怖いか?」


思わぬ問いに、俯いていた顔が反射的に上げられる。パニックで潤んでいた目が捉えたのは、やはり悲しげな理鶯の顔。彼は片膝を床に着けてAと同じ目線の高さに合わせると、ふんわりと青髪へ大きな掌を乗せた


「────だが小官は貴女が怖い」

『………ぇ…?』


予想だにしない事を言われ、声を出すのすらままならなかった


「何故、貴女は怖いと、嫌だと言わないのだ……。何故あの様なケジメを自ら受け入れるのだ……」


先程の冷たい痛みでは無く、今度は温かな抱擁。情報処理が追い付かないが、固まるAの耳に届くのは理鶯の悲痛な言葉だった


「小官達は貴女を護ると約束した。傍に居ると約束した。なのに……何故お前は、自ら離れる様な危険な行動を取る……ッ」


理鶯の顔は見えない。左馬刻もAに背を向けて煙草を吸っていた。唯一、銃兎だけ泣きそうな程に顔を歪ませているのだけが見えた


「お前は、ケジメを付けないと火貂組の者が納得しないと言ったな。それならば小官達はどうなんだ。その言葉で納得すると思ったのか……ッ!!」

『そ……れは……』

「分かっている…。貴女は筋を通そうとした事を。だが、その前に小官達の気持ちを考えてくれ……ッ!!!」

1042話 貴女の声だけが頼りだった→←1040話 走る痛み、悲しそうな彼



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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