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1031話 シアワセになるには ページ1

─────ミシッ、




そんな音が響く。それは何の音なのか、いやそれよりも目の前の物はどこが見た事が……。


Aは目の前の小袋を見つめながら固まる。それは銃兎がこの世の中で1番憎んでいるモノなのだが、Aはまだそれを知らない。そしてソレがどんなモノなのかも

ただ“オヤカタに貰ったモノ”と言う記憶だけが残っていた


『こ…これは……?』


手に取って、照明の光に当てながら見たり下から見たり様々な角度で見るAに、退紅は手をパンパンとゴミを払う様な仕草をして腕を組んだ


「知らねぇのか?ウチらの世界では馴染みのあるモンだ。これを飲めば、寂しい気持ちも晴れるし幸せな気分になれるんだよ」


その言葉にAはやはりオヤカタからくれた物と一緒なのだと理解する。その時は薬がトラウマで飲まなかったが、今では風邪薬や体を治すのに作用する薬があると知ったので、昔よりは拒否反応は無い。ただ、退紅の言っている事が本当かどうかが疑わしい

袋を見つつ、Aは目の前の男を観察する

彼の目も自分の何かをじっと見ている。答えを待っているだけなのか、別の理由があるのか。答えを間違ってはいけない、本能的に心が警告を鳴らす

しかしAの答えは既に決まっていた。警告が鳴ろうが、それを変えるつもりはもう無かった


『成程、それがあれば例え左馬刻さん達に何かあってもこれで紛らわせられるんですね』

「あぁ。俺の勝手な想像だが、お前は左馬刻がシノギで何処か遠い所へ行こうとした時止めねぇだろ?我慢して帰るのを待つだろ?」

『そうですね……。左馬刻さんには左馬刻さんのやりたい事があるので、私の我儘で困らせてはいけないときっと思いますから』




Aはぎゅっ、と袋を握る。

















────そして満面の笑みを浮かべた



『でも私には必要の無い物ですっ!これに頼らなくても、私は充分過ぎる程に幸せですからっ!』


持っていた袋をテーブルに置き、退紅に返す様に押し出す。決意に満ちた目、迷いの無い顔、幸せだと感じさせる笑顔。退紅は一瞬目を見開くが、直ぐに険しい表情になり口を開かせる


「ほぅ?それはアイツらが死んだとしてもか?幸せなのは今だけだ。それを分かってんのか?」

『はい、幸せは長く続きません。重々承知です』

「なら───」

『左馬刻さん達は自分の“願いという名の幸せ”を叶える為に戦ってます。なのに、私がそんなモノで簡単に幸せになるなんて出来ません』

1032話 焦り、張り詰めた空間。→



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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時

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