【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -20章- 始まるDRB予選 (ページ15)

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995話何気に入り方知らねェんだよな…… ページ15

弁当の準備が終われば時刻は7時30分。そろそろ銃兎の所へ行かなければ弁当が渡せない。既に身嗜みも整えていた2人は、直ぐに銃兎の家へと車を走らせた

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────朝のヨコハマは、裏社会の者達が蠢く夜のおどろおどろしい雰囲気を完全に無くし、澄んだ青が広がる清々しい世界に変化を遂げていた。助手席の窓から見えるキラキラと太陽の光を反射する海は大きな宝石の様で、Aは目を大きく開き声を漏らした

『〜〜！気持ちのいい朝ですね！』

｢おー、そうだな｣

左馬刻にとってはいつも通りにしか見えない。なのであまり気持ちの入ってない返答になっていたが、特に気にせずAの口は動いた

『今日は空気が澄んでるみたいですね！ハッキリと遠くまで見えます！』

｢はしゃぎ過ぎて弁当ぐちゃぐちゃにすンなよ？｣

『大丈夫ですよ！絶対に台無しにはしません！弁当箱が動かないように保冷剤めっちゃ詰めたので！』

｢開けたらビッチャビチャじゃねぇか｣

『冗談ですよ〜。常識の範囲内で入ってます！作る時に気をつけたので、食中毒にはなりませんよ！あっ、でも念の為に直射日光が当たる所には置かないで下さいね！』

｢わぁーってるよ。折角のお前からの弁当だ、大事に扱うっての｣

『ふふ、ありがとうございますっ！』

そう言って3つのランチバックを大事そうに抱える彼女。視界の端からでもその可愛らしい仕草が見えて、自然と左馬刻の表情は穏やかになる

『リクエストにも応えましたし、2人も喜んでくれますかね〜』

｢たりめーだろ。俺様が保証する。つーか喜ばなかったらぶん殴る｣

『わぁ物騒』

そんな冗談を挟みながら数十分後、車は銃兎が住むマンションの駐車場へと到着した

まだ朝早く、出掛けるには早いので駐車場には沢山の車が停まっていた。出勤時間じゃない銃兎の車も勿論駐車場に停まっている

しかし仕事で忙しい警察官だ、朝から時間を取らせるのも申し訳ない。Aは車から降りると、足早に入口へ向かった
後から歩いて追いかける左馬刻は、アイツマンションの入り方知ってんのか……？と訝しげに後ろ姿を眺める

『さっ、左馬刻さん！！どうやって入るんですか！！？』

案の定、彼女は分からず朝から入口で大きな声を上げた。予想通り過ぎてつい左馬刻は吹き出す。確かにいつもは銃兎がいるか、不法侵入が出来る理鶯がいた。こうして訪れる事は初めて

慰める様に涙目のAの頭を撫で、左馬刻はいつも通りにインターホンを操作した