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972話 突然入った邪魔者。 ページ42

「───ありがとうございましたー。またのお越しをお待ちしておりまーす」


言い飽きたと言いたげな棒読みの店員の声と共に店を出るメロディが鳴る。街にやってきた2人は迷う事無く1件目の店に入り、必要なモノを買い集めていた

長期的に外で持っていても問題の無い野菜や調味料を買ったAは、スマホを取り出し次の店の場所を地図アプリで探す。因みに買った物は理鶯が持っている。自分で持つとAは言ったが、彼が中々折れないので諦めてそうなった


『次は3km先にあるみたいです。行きましょう!』

「了解した」


比較的珍しい青髪の女性、迷彩柄で大きい有名人。周りの視線を集めヒソヒソと話し声が車のエンジン音に紛れて聞こえる歩道だが、2人は全然気にしていない。寧ろ自分達の世界に入っている


「A、今回は材料だけ買いに行く訳では無いのか?」

『ふふんっ、そうなんです!予定を変更してスープも作ろうかと。なのでスープジャーと、他に必要な調理器具も買うので専門店へ行きますっ!』

「ふっ、そうか。何かアドバイスを、と思ったがそこまで考えているのなら必要無さそうだ。明日が楽しみだな」

『そう言って頂けると嬉しいです!』

「荷物係は任せてくれ。思う存分沢山買うといい」

『さ、流石に全部持たせる訳には……』

「遠慮するな。折角の弁当作りなのだから───」


「オイ!!MTCの毒島メイソン理鶯だなァ!!ここで会うなんざ運がいい!テメェに恨みはねぇが碧棺左馬刻には随分世話になってんだわ」


突然2人の世界をぶち壊したのは面識が全くない5人の男性。彼等は理鶯達の目の前で首や手を鳴らしたりして不穏な空気を纏っていた。話を聞けば左馬刻にお灸を据えられたらしい。その腹いせか、哀れにも軍人相手に喧嘩を売ってきた様だ

勝負をしたとして結果は明白なのは理鶯もAも感じ取っているが、ここは公共の場。不特定多数の目がある中で争い事は起こしたくない。更に理鶯にはAに傷をつけないという最優先任務がある


なので理鶯は即座に行動、Aを横抱きにして男達の横を颯爽と駆け抜けた


「ハァッ!?オイ!逃げんのかよ!!」

「小官と戦いたいなら追いついてみせろ。その程度が出来ないのであれば小官の相手に相応しくない」


予備動作も少ない動きはまさにアクセル全開の車。意表をつかれた男達との距離があっという間に開く。そして『ちょっ理鶯さん!?』という声がヨコハマの街に響いたのであった

973話 イラつく軍人。→←971話 テンションが上がる軍人。



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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時

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