【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -19章- 交われた赤と青 (ページ41)

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971話テンションが上がる軍人。ページ41

───片付けを終え、朝食を済ませた銃兎達。綺麗に平らげた食器も再び2人で談笑しながら洗った

銃兎の本心では今日を休みにして彼女と共にのんびりと過ごしたいところだが、そんな事は許されない。彼の野望の為、そして警官の責務として私情は挟めない。未練を残しながらも身支度を整えたAを車に乗せ、理鶯が待つ野営地へと出発した

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銃兎はこれからの仕事を考え体力は温存したいので、野営地に続く山道の入り口に車を止めると、理鶯に連絡を入れてAを降ろした。連絡をする前に気配を察知していたのか、彼女が待ち遠しいあまりに待機していたのか直ぐに現れた理鶯

おはようございます、と他愛ない会話が運転席の窓越しに聞こえた頃に銃兎は窓を開けた

｢理鶯、おはようございます｣

｢おはよう銃兎。これから仕事か？｣

｢えぇそうです。彼女との買い物、頼みますよ｣

｢任せろ。Aに傷1つ付けさせない｣

昨日の話し合いではシノギが終わり次第直ぐに理鶯達と合流予定の左馬刻。理鶯がいる事で弁当の内容がカオスになり兼ねないが、最終的に左馬刻がいる。引き攣りそうな表情を耐え銃兎は笑顔で｢よろしくお願いします｣と簡単な言葉に押し込めた

『銃兎さん行ってらっしゃいです！』

｢ふふ、行ってきます｣

Aと理鶯に見送られた銃兎はアクセルを踏み、平和な世界からどうしようも無い吹き溜まりが蔓延る世界へ、煙草を吹かしながら向かった

銃兎の車が見えなくなった辺り、理鶯はAの方へ体を向け優しく微笑む

｢行くとするかA。こういうモノは素早い行動が大切だ｣

『分かりました！必要なモノはスマホでメモってますし、準備はバッチシいつでも行けます！』

｢うむ、良い心掛けだ。では行こう｣

理鶯が手を差し伸べると、彼女は嬉しそうに笑いギュッと握った。2人の空間はお花が舞いほっこりとしたモノになっている

準備段階に入った弁当作りに気持ちが高まっているAと、これはもうデートだなと控えめな微笑みの下で柄にもなくテンションが上がっている理鶯。2人の間に気持ちのズレはあるが、今に始まった事では無いので問題なし

昨日のサッカーの話等をしながら、自然豊かな山道から発展したビルが建ち並ぶ都会へ進んで行く

『理鶯さんのキーパー凄かったですけど、どうしたらあんな凄い反射神経持てるんですか？』

｢銃弾等の速い弾ばかり見れば人が蹴った球は遅く見えるぞ｣

『お、おぉうん……流石理鶯さん……』