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964話 頭痛 ページ34

『うーん、大体の料理は決まったけど……後はどうしようか……』


普通よりも反響するお風呂場はAの悩みで溢れていた。やるからには絶対に喜んでもらいたい、そんな気持ちがあって悩みが膨らんでいたのだ
きっと彼らの事だ、作ってくれるなら何でも嬉しいと答えてくれるが、彼女はそれに甘えたくない。あっと驚かせて喜んでもらえる事がしたい

しかし彼女は常識を知らないし、当たり前も知らない。故に正解も不正解も分からない。善意を持って行った事が悪意に取られてしまう可能性だってある

3人に相談したいがそれではネタバレになって喜びが半減してしまう


『あ゙ー!!弁当って難しいなぁー!!』


弁当のハードルを高くしているのは、他でもないA本人である事に彼女は気付いていない。残念な事にそれを指摘してくれる人はいない


『ネットで色々と探してみるか……』


情報が見えない世界で広がっている現代社会は、こういう時に便利だ。稀に悪意持ってガセネタを広める輩もいてしまうが

テレビだけじゃ知らなかった弁当の事が沢山書かれている、ならば勉強する時間を作らないと。そう考えたAはザバッ!!と勢い良く立ち上がり、直ぐ様頭を洗う為に浴槽から出てシャワーに手を伸ばした









お風呂から上がったAは、弁当の事を考えながら脱衣所で体を拭いていた。ある程度拭けたら予め準備していた下着を取ろうとした




───ズキン




『ッ、イッ、タ……?』


伸ばしていた手が途中でピタリと止まる。考えてた事が一瞬真っ白に成程の痛みが脳に走った
しかしそれは今は無い。気の所為だったのかと疑う程に一瞬。

ぱちくりと瞬くAは誰かに攻撃されたのかと脱衣所を見渡すが、勿論誰も居ない。何だったんだろうか、悩む様に唸りながらAは着替えを始めた


可愛らしくラッピングされた袋を丁寧に破り、中から乱数からのプレゼントを取り出せば、丁寧に畳まれた黒色でフワフワとした材質のパジャマが姿を現した。少し銃兎の事を意識した色なのか?と考えながら彼女は袖に手を通した





────ズキン


『───ッ、』



“███感情███試みる。███に記憶██るか”



『あっ……』


ノイズ混じりの声。その声は記憶にない。だがその声はとてつもない不快感が全身を抉る
どうやら脳は何かを思い出そうとしているらしい。しかしその先の声は暫く経っても聞こえなかった


『…何だったんだろう……?』

965話 ギリギリな警官。→←963話 確かに追加のパジャマありましたね……!!



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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時

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