954話 タジタジな若頭 ページ24
今まで我慢してた分、少し感情が溢れてしまっている銃兎。彼の苦労は想像よりもあったのだな……と、一郎達は敵ながら同情した
悪徳警官じゃなくて保育園の保育士に向いてるんじゃないか、と三郎。何だかんだ面倒見は良いんだな、と二郎。流石年長者だ、と一郎
そんな生暖かい目が向けられているとは露知らず、銃兎はAから送られてきたボールを左馬刻へ回しそのまま愚痴を零した
「左馬刻も左馬刻で勝手に暴れやがって……。結果的には丸く収まったが次似た事をしたら頭冷やすまで豚箱だからなッ!!」
「はぁ!?何でだよ!!」
「たりめーだろうが!!体ぶっ壊しながら暴れやがって!!テメェは俺らのリーダーだって事を自覚しやがれ!!」
『あ、あの銃兎さん…!!今回は私が──』
「Aさんは何も悪くありません、コイツが勝手に暴走しただけなので。今になれば左馬刻の行動の意味は分かりましたが、にしても後先考え無さ過ぎです」
「その意見は小官も同じだ。左馬刻、貴殿の体の強さは分かっているが、全てのモノには限界がある。小官達を頼るか相談してくれ」
「う、うううるせぇな!!ンなデケェ声で言ってくンじゃねぇよ!!は、反省してんだよコッチは!」
仲良く喧嘩している傍らでAはオロオロと事を収めようと必死だ
未だに自分が悪いと認識するAだが、第三者からすれば非があるかと言われれば微妙なラインである。確かに隠すという行為は間違った判断だったかもしれない。
しかし既に一郎と左馬刻の関係は中王区によって作り出されたモノだと言う事を知っており、さらに銃兎から遊んでもいいが左馬刻には隠せと言われていた。そう行動するもの無理もない
そうだと完全に彼女を説得するのは難しいが
仲間に言い詰められる左馬刻に一郎は何とか顔に出さないようにと口に力を入れて震えている。若頭がコテンパンに言われて反論出来ないのは滑稽だ。左馬刻なら余計に
そんな兄の横でAの心情を察した二郎と三郎は互いにアイコンタクトを送ると、依然として左馬刻を庇おうとしているAへ声を掛けた
「なぁA、何でそんなに自分責めてんだ?」
『えぇ…?何でって……。私……黙ってたから……』
「黙ってたから何?それで勝手にキレて暴走してるんだから謝る必要無いでしょ」
『で、でも……』
「逆に聞くけど、もし正直に話したとして解決する事だったの?そんな簡単な話じゃ無かったでしょ?」
955話 考えて何になるの?→←953話 真似してはいけませんからね!
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時