953話 真似してはいけませんからね! ページ23
MTCの執着心の強さを垣間見た後も、何事も無かったかのようにパス回しを再開する一同。先程の話の流れもあり、パスをし続ける中で話題は弁当になっていた
「そう言えばAって弁当作った事があるのか?」
理鶯へパスをした一郎がそう尋ねる。すると左馬刻以外は興味を持ち、視線がAへと注がれた
『料理自体はよく理鶯さんの所でお手伝いですけどやってます!でも弁当というのは初めてで……。でも左馬刻さんが買って下さったレシピ本に書いてあるので問題ないかと!!』
「うわぁ……レシピ本を送るとか……」
理鶯の料理の実態を知らない三郎にとったら、そのプレゼントはお嫁にする準備にしか思えず、ゴミを見るような目で左馬刻を見下した。その誤解を察知した左馬刻は如何に理鶯を傷付けず、尚且つ自分がそういうつもりでは無い事を伝えれるか脳をフル回転させていた
「ンな目で見んじゃねぇよ!あ、あれだ!理鶯ンとこはほぼ外だしスーパーなんか行かねぇから、こういう本買っとかねぇと誤解しちまうンだよ!!」
左馬刻の言葉は銃兎にも深く刺さる。銃兎もまた必死に彼等へ状況を説明した
「理鶯のおかげで逞しくなってますが、下手をすると警察案件ですし常識を覚えさせるという点では左馬刻は良い事をしたと思います!!」
「ふむ、確かに銃兎の言う事に一理あるな。小官は警察を撒く事など造作もないが、Aの場合は難しい」
「あ、あの……何で警察が出てくるんすか……?」
唐突に出てきた警察に一郎が戸惑いの声を漏らせば、銃兎は今までの苦労を滲み出しながら答える
「理鶯は基本森の中で狩りをしてますが、稀に山を下りて狩りをするんです……。ヨコハマは貿易船がよく停まるので外来種が多い……。なのでタランチュラやオオコウモリ、鰐等々挙げればキリがないですが、そんなモノを獲るせいでどれだけ私が裏で手を回してるか……ッ!!」
「銃兎、その言い方だと小官が毎回警察に捕まっている様に聞こえる。小官は一度も捕まった事など無いぞ。それに小官が山から下りて狩猟しているのは危険な外来種、逮捕される筋合いは無い」
「そうかもしれませんが、通報が入る度に私が色々と揉み消してるんですっ!!」
「そうか……それは余計な手間を増やしたな。ならば次からは通報すら入らないように立ち回るとしよう」
「あ゛〜!!!Aさん!理鶯のこういうところは真似してはいけませんからね!」
『あ、はいっ……分かりました……ッ!!』
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時