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951話 大人げない、素直じゃない。 ページ21

白熱したPK戦を終えた彼等は、何故か仲良く円になる様に広がり世間話をしながらパス回しをしていた


こんな奇妙な状況も、先程の本気のPK対決をしていた又は見ていた彼等では感覚が狂い、何とも思っていない。寧ろ全員が参加出来ると賛成した程である


止まる事無く蹴られるボールは、色んな所へと送られる。左馬刻、A、理鶯、三郎、銃兎、一郎、二郎。順番は蹴った本人の気分だ。何も考えず、有り得なかった筈の平和な世間話がそのままされていく


『むふふ、夢みたいですっ』

「あぁ?何がだよ」

『こうして皆でサッカーしてる事ですよっ!』

「そんなに俺と一郎が仲良し小好しして欲しいのかよ」

『無理矢理して欲しい訳じゃないですよ?』

「俺ら的には仲良くはしなくていいが、名前を出しただけでキレるのだけは止めて欲しい」

「っ、わ、悪かったな……ッ!!」

「一郎君はお前よりも理性的に対応してくれたぞ」

「だーかーら悪かったってのッ!!」

「俺、MTCのイメージ完全に変わったわ。三郎はどう思う?」

「変わったね。特に弁当1つで喧嘩するあたりギャップが凄い」


何気なく三郎の口から出た“弁当”というワード。それを聞いた瞬間、左馬刻はやべ……と冷や汗を流し始めた


「む?弁当?一体何の話だ?」

「毒島サンは聞いて無かったんすね。左馬刻の野郎、仲間に内緒で自分だけAから弁当作ってもらうようにしてたみたいっすよ」

「オイ一郎ッ!!言い方考えろや!!」

「左馬刻とA、この後話があるのだが」

『え!?何で理鶯さん怒ってるんです!?』

「理鶯だけではありませんよAさん?私からもこの後大事なお話が」

『ヒェッ!?わわわ私何かマズイ事でもしました!?』


黒いオーラを出す2人に慌てるA。呆れるように二郎は溜息を吐いた


「………弁当1つでヤベェな。そんなに怒る事かよ」

「おや?二郎君は兄が作った弁当は要らないと?」

「バッ!?ななな何で俺らの昼ご飯が兄ちゃんの手作り弁当って知ってんだよ!!」

「ふふ、可愛いですねぇ?貴方は鎌を掛ける、という言葉を知っておいた方がいいですよ?」

「典型的な罠にハマってるな。赤裸々に語ってる辺り流石低脳」

「んだと三郎ッ!!」

「というか作って欲しいなら素直に言えばいいのに。大人げない」

「思春期真っ只中で素直とは程遠い三郎君には言われたくありませんね」

「うわ、ムカつくけど俺も入間と同じ事思ったわ」

「何だと二郎!!」

952話 怒ってる理由が分からなくて……っ!!→←950話 似るのは必然かもね



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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時

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