944話 毒島サンは強ェな…… ページ14
「おやおや自覚無しとは……。一度鏡で見ては如何です?貴方の舎弟が見れば2度見──いや4度見ぐらいされるんじゃないですか?」
「そんなに見られるかボケ!!それだったら銃兎も中々な顔してんじゃねぇか!!口所か顔全体ふにゃふにゃにしやがって!!」
「誰がそんな顔してるんだよど間抜けが!!」
血の気が多い2人は急に喧嘩を始める。理鶯とAからすれば日常茶飯事なのだが、一郎達からすると何故急に……!?と困惑するもの
弟達もよく喧嘩するが、この2人の喧嘩は迫力が段違いだな───と一郎。
何で喧嘩してんだ……?つーか入間声デカ……───と二郎。
いい歳した大人が野蛮すぎる。どっちもヤクザじゃないか───と三郎。
それぞれ率直な感想を抱いていた。だが彼らの驚きはこれだけでは済まない。彼らのいつもの流れはまだ続いている
「ふむ、2人共腹が減ってイライラしているのか。ならばサッカーは一旦中止にして狩りをしてこよう。この近くになら──」
「待て待て待て理鶯!!!早まるな!!俺ら腹が減ってる訳じゃねぇンだわ!」
「そうですよ!!それにここは貴方の野営地ではなくイケブクロディビジョンですからそういう行為は危険かと!!万が一にも捕まる可能性が……」
「安心しろ。小官が警察に捕まるなど有り得ない」
「そこに自信持ってんじゃねぇよ。つか違ぇんだっての!!あれだ!お前らのサッカー見てたら闘争心湧いてきたわ!キーパーやれ銃兎」
「何故俺が強制キーパーなのかは分からねぇがするか左馬刻!!」
さっきまで争っていた2人は理鶯の言葉でクルリと態度を変えた。それどころかサッカーをすると言い出し、首や腕を回したり、邪魔になるジャケットを脱ぎストレッチ等の準備運動をしながら二郎達の所へ歩いて行った
唖然とする3兄弟。仲良く口を開けてそれぞれ遠くなる背中、近付くやる気溢れる2人を眺めた
「毒島サンは強ェな……色んな意味で」
「狩りって言ってましたけど、一体何を料理するつもりだったんですかね……一兄」
「想像つかねぇわ……」
「僕もです……。でも2人が戦慄する程の物なんでしょうね……」
「マジかよあの2人がサッカーすんのかよ……」
『おぉー!お2人もするんですか!?』
「おー何かやる気出たわ」
「えぇそうですね久々にスポーツをやりたくなりましてね」
『妙に早口で棒読みなのは気の所為ですか?』
「よく分からないがやる気があるのは良い事だな」
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年7月29日 8時