942話 何故こうなった。何故座ってる。 ページ12
｢よーっし、じゃあ行くぞぉー毒島ぁー！！｣
｢了解した。何処からでも掛かってくるといい｣
『二郎さん決めちゃって下さい！！』
｢む、Aは小官を応援してくれないのか？｣
『あっ、いや、そういう訳じゃ無くてですね！？』
────結局3人はサッカーをしている。というのも長男は弟に甘いし、ヤクザと警官は軍人とAに甘いからだ
わざと合わせた訳では無いが、A達3人は首をこてんと傾げて“駄目なのか……？”と悲しくそれぞれに聞いた。そんな顔をされてしまえば駄目なんて言えない
｢………ったく、アイツら自由過ぎだろ……｣
｢元気な事は良い事だがお兄ちゃん心配だ｣
｢テメェはいつまでそのキャラなんだよダボ｣
｢心配じゃねぇのかよお前は｣
｢心配だから俺が色々と裏で動いてんじゃねぇか。勝手に妹にしてるどっかの誰かとは違ぇんだわ｣
｢アンタも大概だな｣
｢ンだと…！！｣
｢左馬刻、喧嘩するなら彼処に行ってサッカーして来い｣
｢チッ、わぁーったよ黙ってりゃいいんだろ｣
───何故こうなった。三郎は考える事を諦めた
現在サッカーをしない4人はベンチに仲良く左から一郎、三郎、銃兎、左馬刻の順で横並びで座りマイペース3人組を見守っている
───仲が悪いのに何故一緒のベンチで座ってる。銃兎は険しい表情で考えながら目の前の彼らを見ていた
理鶯はキーパーで二郎はシュートをし続けAはそれを応援＆リアクション。あまりにも平和な光景。あの組み合わせだからこそ出来た空気感だろう
二郎は何度も本気のシュートをしている。しかし軍人の彼にとっては大きい的を止めるのは容易い。ましてやゴム製の物で、狙う場所が判明しているのなら尚更
角を狙っても直ぐに反応し全てキャッチしてみせた
｢だぁっ！！ぜんっ、ぜん入らねぇ！！｣
『全部反応する理鶯さん凄いです……！！』
｢山田二郎、貴殿のシュート力は素晴らしいモノだが攻める場所が単純だ。角を狙えば届かない、等と安直な考えでは直ぐに読まれて止められるぞ｣
｢しかもアドバイスもしてきやがる！！！｣
｢小官が相手になるのだ。それ相応にスキルを磨いてもらわなければな｣
『おぉー！！凄く良い練習相手ですね二郎さんっ！』
｢くっそぉ……絶対ェ決めてやるよ！！！余裕ぶっこいてんのも今のうちだからな毒島ァッ！！｣
｢ふふふ……さぁ来いッ！！山田二郎ッ！！！｣
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作者名：刹那 | 作成日時：2023年7月29日 8時
