929話 俺様に見せるんじゃねぇのかよ ページ49
《うぅ゙っ、ざまときさぁん゙!!二郎さんをやってしまいましたァッ!!》
「ぶふっ、んんっ。お前のソレ、殺してる言い方なんだわダボ。何があったんだよ」
第一声からトンデモ発言をされ思わず吹き出す。一部始終を見ていた俺だからこそ冷静にツッコミを入れられたが、何も知らなかったら焦るわ
《私の全力で蹴ったボールが二郎さんのお腹にのめり込んで……!!うぅ……!》
「あー……大体分かったわ。ソイツは大丈夫つってんのか?」
《そう言って下さってるんですけど、絶対痛かったですよぉ……っ!!》
「大丈夫つってんなら大丈夫だろ。お前のボール如きに壊れる程ヤワじゃねぇだろうしな」
《で、でも〜……!!》
昨日から思っていたが、Aの性格が少し幼くなってる気がする。いや、子供っぽいのは前々からだが、こんな事で泣いてたか?まぁ……絶対痛ぇって思う程コイツは全力で蹴ったのかもしれねぇが
Aの性格について考えたところで、今の俺のやる事は変わらねぇ。追加の煙草に火をつけ一服。その短い間でもAは鼻をすすったり嗚咽を漏らしていた
視界にはオロオロと必死にAを宥める一郎達。そんな光景を眺めながら紫煙を吐き、口を開いた
「お前楽しかったってツラ、俺様に見せるんじゃねぇのかよ」
《ぐすっ、う……》
「折角一郎達と遊ぶ許可出してやったんだ、俺様が迎えに来た時に湿気たツラしてっと二度と一郎らと遊ばせねぇぞ」
《そ……それは、困ります〜……!!》
「ハッ、だったら泣くんじゃねぇ。一郎達も困ってんじゃねぇのか?」
《はい……》
「まだ帰る時間じゃねぇが、する事もねぇし今からそっちに向かう。それまでに笑って遊んどけ」
《分かりました……!!》
「それとA、電話一郎と代われるか?」
俺がそう頼むのに余程驚いたのか、さっきの萎れた声じゃなく鼻声だが元気な声で《はい!今代わります!!》と返事が返ってきた。程なくして聞こえる一郎の声。戸惑いながらも《も、もしもし……?》と聞こえる声に苦笑いを浮かべた
「ウチのAが悪ィな。弟の腹は問題ねぇか?」
《えっ、あ、そ、そうだな》
「Aは女だが、あの理鶯が鍛えてるからそこら辺の奴らよりはキツイ一発だっただろうよ。今は何ともなくとも、時間が経って腫れてきたら俺に言え。慰謝料でもなんでも責任取るわ」
《いやいや、そこまでしなくていいっ!!二郎の奴も元気そうに顔を赤くしてるから!!》
《兄ちゃん!?》
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刹那(プロフ) - クリームソーダ好きさん» クリームソーダ好きさん!応援ありがとうございます!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (7月8日 17時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
クリームソーダ好き - とっても面白いです、!応援しています! (7月8日 11時) (レス) @page39 id: 4c76633c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年6月4日 10時