905話 思ってたのと違う ページ25
『───私は怒るからってずっと隠してました!!だから左馬刻さんが怒るのも仕方ないんです!!』
「だから!俺様が悪いだっての!!お前の話を聞かねぇで一方的に会うなっつってんだから、納得出来ねぇのも当たり前だろうが!!」
『それは左馬刻さんと一郎さんの間で何かあったからですよね!!許せない何かがあって、だから私を護ろうと必死になってくれてたんです!!』
「ンな理由でお前をぶってもいい訳ねぇだろうが!!」
『それ程怒らせたという事です!!』
何故こうなったのか。静かな謝罪からいつの間にか声を張り合う水掛け論。この場に銃兎と理鶯がいれば苦笑いするだろう。しかし残念な事に彼等は空気を読んでこの場を離れてしまった
この流れを止める人物がいなければ話が収まらないのは明白。2人はまだまだ止まらない
『ではこうしましょう!私と左馬刻さん9対1で悪いとしましょう!』
「何でだよ!!百歩譲って俺とAで9対1だわ!!」
『違います〜!!!』
良くも悪くも2人は似た者同士である。責任を重く感じるのも、頑固なのも、この場に銃兎がいれば「お前ら何の言い争いだよ……」とツッコミが飛んでくるが、今頃彼等は車の中で待機中である
それどころか銃兎と理鶯は────
「2人共仲良くしてますかね」
「きっとそうだろう。今頃ハグをしてお互い安心しているのではないか?」
「ふふっ、あの2人は甘えん坊ですからね。本人達は否定しますが」
「フッ……。一時はどうなるかと不安だったが解決して良かった。やはりあの2人はああでは無いと」
「そうですね。それはそうと、いつまで待ちます?」
「そうだな……まだ語りたい事もあるだろう、もう暫く待つとしよう」
「分かりました」
────よく分からない言い争いが起きてるなんて露程も思っていなかった
『分かりました!では6対4です!勿論6は私!』
「お前は悪くねぇっつってんだろうがァ!!」
『悪いですぅ〜!!』
因みにだが本人達は思っている。“あれ、これ俺/私の思ってた話し合いじゃない”と……。
しかし走り出したら止まらない、譲りたくない。
「お前いい加減折れろや!」
『こればかりは折れません!!』
「風邪ひいてんだから折れろ!!」
『どういう理屈ですかそれ!!』
はぁ…はぁ……と2人の呼吸が響く。言いたい事ではなかったが、衝動のままに言葉を発し続けたおかげで段々と2人の頭が冷えてきた
そして次に部屋に響いたのは2人の笑い声だった
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刹那(プロフ) - クリームソーダ好きさん» クリームソーダ好きさん!応援ありがとうございます!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (7月8日 17時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
クリームソーダ好き - とっても面白いです、!応援しています! (7月8日 11時) (レス) @page39 id: 4c76633c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年6月4日 10時