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896話 調子が戻りつつある3人 ページ16

全ての組織を潰した銃兎は応援を呼び、事後処理に追われていた。本来なら銃兎だけ残れば問題ないのだが、左馬刻と理鶯は銃兎の車に乗り彼が帰ってくるのを待っていた



その理由は数分前に遡る────



「では左馬刻、理鶯。私は応援を呼び、事後処理を行いますので先に家に向かって下さい」

「っいや……銃兎……」

「どうした左馬刻?」

「なんつーか、その……何だ……」

「はっきり喋れ。ここに残ってても意味ないだろ?それよりも早く───」

「銃兎、左馬刻の心情を察してやれ。小官と銃兎が揃っていないと心細いのだろう」

「ばっ!!そ、そんなんじゃねぇッ!!」

「へぇ?中々に可愛げがあるじゃねぇか」

「るっせぇな!沈めんぞゴラァ!!」

「仕方ないですねぇ?保護者がいないと不安ならとっとと終わらせねぇと。2人は車の中で待ってて下さい、ふはっ、」

「聞けやクソウサギ!!!」



────という一幕があったからである。


車内に差し込む太陽の光が段々と届かなくなり、辺りの建物は電気を点け始め、チラホラとヘッドライトを点けた車が通り過ぎる

そんな外の景色を眺めながら助手席で待つ左馬刻は、銃兎に対して苛立ちを覚えつつも、これからAに会う事に変な緊張をしていた。その所為もあり、後ろから理鶯が彼らしからぬ花を飛ばす勢いの笑顔で見られている事に気付いていない


落ち着かない時は基本煙草を吸う左馬刻だが、風邪をひいている人物に会いに行くからか、何度もポケットから煙草を取り出し、直ぐにしまうと言う滑稽な行動を繰り返している。それが数十回行われた頃に運転席の扉が開いた


「お待たせしました。───お、左馬刻が煙草を吸ってないなんて珍しいな」


車内に乗り込み第一声がコレである。銃兎自身きっと左馬刻は落ち着いていないだろうと思っていたから余計に零れた言葉なのだ。決して嫌味のつもりでは無い


目を丸くして見られた事でバツ悪そうに舌打ちをする左馬刻


「たりめーだろうが。風邪ひいてる奴に会いに行くのに吸えるかよ」

「それにしては煙草を持って吸いたそうにしていますが?」

「あまり虐めるな銃兎。今の左馬刻は緊張している」

「ぶははっ!!」

「理鶯ォッ!!テメェ1回ぶん殴らせろォッ!!!」


車が大きく揺れる程に賑やかな車内、飛び交う笑い声と怒鳴り声。どれだけ歯を剥き出しにし荒々しく怒鳴ろうとも、2人からすると照れ隠しにしか見えない
現に彼の耳は暗くても分かるくらいに赤いのだ

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刹那(プロフ) - クリームソーダ好きさん» クリームソーダ好きさん!応援ありがとうございます!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (7月8日 17時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
クリームソーダ好き - とっても面白いです、!応援しています! (7月8日 11時) (レス) @page39 id: 4c76633c5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年6月4日 10時

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