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891話 二郎とダチ ページ11

《仲直り……?って……普通にお互い謝るヤツだよな?正解なんて分からねぇけど、俺最近絶交レベルまでいってたダチと仲直りしたんだよな。ヒントになるかもしれねぇし、ちょっとソレ話すわ》


スマホ越しの二郎は んん゙っ、と喉の調子を整えると過去の出来事を思い出しながら話し始めた


《喧嘩の理由はお互いに不満が溜まっててそれが爆発したんだよな。それで殴り合いまでして、もう二度とお前とは喋らねぇって言い切った》

《その日に帰ってきた二郎、痣とか血とか凄かったな》

《マジでムカついたからな。お互い手加減無しに決まってんだろ》

『想像以上の殴り合いだったんですね……』


そもそもの喧嘩のレベルが違いすぎて若干引いたA。でも彼から語られる話はきっと大きなヒントになり得る。だから彼女は起き上がり、集中力を全て聴覚に充てた。もしその話が自分だったら、という想像をしながら


《最初は清々したとか思って学校を過ごしてたんだけど、やっぱ何か物足りなくてさ。まぁ…今までずっとつるんでたダチだし、急にいなくなったら違和感が凄いんだよ。だから変に俺も調子悪いって言うか、いつも通りになれなかったんだよな》

『いつも通りに……ですか』

《人って言うのは変化を嫌う生き物だからね。僕達学生は一日の半分以上を学校で過ごしてる。だからその友達と関わる時間も長い。そんな友達がいなくなるって言う変化は、二郎自身耐えられなかったんだと思う》

《そうかもしんねぇな。………でもさ、そう思ってても縁切ったし、話し掛けられないまま結構日が過ぎちまって》


やはり“外の人”でも仲直りと言うのは難しいらしい。それなのに自分に出来るのだろうか、と言う不安から無意識に膝を抱え小さくなるAは彼の言葉を静かに待っていた


《そんなある日、ソイツが弁当忘れたんだよ》

『べ、弁当……?』


突拍子も無く関連性が無さそうな言葉が飛び出し、思わずAは声を裏返しながら復唱した。目も丸くして何回も瞬いている


《おう、昼ご飯の弁当。ウチの学校は購買でパンとか売ってるんだけど、金もバイト代が出る前だったから無かったみたいでさ。つまり大ピンチ?このままじゃソイツ、昼ご飯無しで午後の授業を受ける羽目になるんだよ》

『な……成程…?』


事の結末が予測出来なくなり必死に話を飲み込もうとしても上手くいかない。中々に険しい表情になっているなんて、指摘する人物がいない中では気付く訳が無かった

892話 仲直りのヒント→←890話 仲直りってどうするんですか?



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刹那(プロフ) - クリームソーダ好きさん» クリームソーダ好きさん!応援ありがとうございます!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (7月8日 17時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
クリームソーダ好き - とっても面白いです、!応援しています! (7月8日 11時) (レス) @page39 id: 4c76633c5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年6月4日 10時

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