877話 謝罪じゃなくて──。 ページ47
ご飯を食べ終えた後も、2人は事あるごとに私の助けをしようとしてくれた。椅子から立ち上がる時も支えてくれたり、ただトイレに行くだけなのに倒れないか心配だと着いてきてくれたり…………。流石にちょっとトイレは恥ずかしいけど……
そしてお風呂はどうする？と聞かれたので、体が汗でベタベタだしシャワーだけ浴びた。その時も2人に、大丈夫か？倒れませんか？と心配してくれたけど、そんなに重症に見えるのかな……？
そう考えながら理鶯さんにドライヤーで髪を乾かされる
ブォーと騒音が両耳を塞いでくるけど、優しく梳いて乾かしてくれる手、その間にコップに水を汲みに行く姿が、感触的に、視覚的に彼等が傍にいてくれているんだと安心出来る
………だから、分かってる。常に気を遣ってくれているのも、過干渉なのも、全部私が左馬刻さんの事で落ち込む暇を与えない為だって。
何回もそれは自惚れだって思った。でもこんなにしてくれていたら、必然的にそう腑に落ちる。仕事で疲れてる筈なのに、もう直ぐ大事な戦いがあるのに、自業自得なのに。何度も謝罪の言葉が出そうだった。その度に2人はそんな言葉が聞きたくてしている訳じゃないって思って飲み込んだ。
｢A、終わったぞ｣
騒音が鳴り止む。代わりに穏やかな声が耳を撫でた
汗でベタベタしてた髪はサラサラで、思わず手で髪を梳いて感触を楽しむ。その様子を微笑んで見守る彼に『サラサラです！ありがとうございます！』と笑顔で答える
｢Aさん、シャワーを浴びた後ですから水分補給を｣
帰ってきた彼からコップを渡される。口に含むと少しだけ冷たくて、あまり胃を冷やさないようにと優しさが詰まった温度。調度良い水は深く私の中に染み込む。どこか期待している様な笑顔の彼に『ぷはっ、生き返ります！』なんて大袈裟に答える
｢さぁ寝ましょうかAさん、早く体を休ませて風邪を治さないといけませんしね｣
『はい！』
｢現時点での症状はどうだ？｣
『ちょっと喉が痛いのと、咳がたまに……。でも他は大丈夫になってきました！』
｢そうか。それなら明日には完全とはいかないが回復しているかもしれないな｣
大丈夫になった。そう答えたのに2人はそれぞれ優しく私の両手を握ってくれた。転けないように、なんて言ってたけど、本当は違う事を私はもう分かってる
だから2人に挟まれてベットで寝転んだ時に謝罪じゃなくて
『ありがとうございます。理鶯さん、銃兎さん』
って笑顔になるんだ
878話 もう心配させてはいけない→←876話 甘えてこいって言われましたけど……
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刹那(プロフ) - 雪女さん» 雪女さんコメントありがとうございます！十四君のセリフは色々調べに調べて書きましたのでそう言って頂けると嬉しいです！彼の再登場はかなり先になってしまいますが、楽しみに待って頂ければと思います！ (5月26日 10時) (
レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 続きが気になります更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎)十四くんとの絡みよかったです(*^^*) (5月26日 0時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - ナミさん» ナミさんコメントありがとうございます！！17章まできてじわじわと忘れられていた過去が明らかになって来てます！！果たしてその過去が全てが明かされた時に何が起こるのか……。夢主ちゃんを可愛いと言っていただけるなんて嬉しいです！！(*´ω｀*)更新頑張ります！！ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します｡夢主ちゃんの過去が分かってきてますね!序章のころと比べて明るい夢主ちゃんがかわいいです♡更新も頑張ってください(^^) (2023年3月30日 22時) (レス) @page18 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2023年3月28日 0時
