873話 八つ当たりなのか、自暴自棄なのか ページ43
｢早かったな銃兎。おかえり、と言った方がいいのか？｣
｢ではただいまと言っておきましょう。理鶯、Aさんの面倒を見て頂きありがとうございます。どうです？彼女の様子は｣
｢此処に向かう途中からずっと寝ていてな。それ程小官は何もしていない｣
｢そうですか……。なら今は寝室に？｣
｢あぁ、今起こしに行く所だった｣
ネクタイを緩め、ジャケットと手袋を脱いだ銃兎はソファの近くまで行き、背もたれにそれらを掛けた。そして口元に左人差し指を当て小さな声で｢彼女を起こす前に……｣と小官を止める
｢早く帰って来れた理由なんですが、理鶯も手伝ってくれたヤクの取り引き等の情報。アレを左馬刻に流した後直ぐ、アイツが殴り込んだ様で……｣
｢何……？｣
｢本来我々警察がやるべき事を全部左馬刻が八つ当たりしてくれたおかげで、処理がスムーズに行えたんです……｣
肩を竦め、心配と呆れが混ざった複雑な苦笑いを浮かべる銃兎
小官と銃兎が集めた情報は多かった筈。それを1人で全部制圧したのか……？左馬刻は小官も認める実力を持っているが、だとしても無理がある。それはただの“八つ当たり”なのだろうか？
｢全て私の点数稼ぎにはなったので有難いんですが……｣
｢何かあったのか？｣
｢左馬刻が派手に暴れたおかげか、ずっと裏で暗躍していた組織が表立って行動──ある場所で大規模なヤクの取り引きをすると情報が入りましてね……。しかも左馬刻はそれを何処からか嗅ぎつけた様で、明日のミーティングで詳しい情報を教えろ、と……｣
｢ふむ……左馬刻は何がしたいのだろうか……｣
｢分かりません、自暴自棄になっているのか……。ったく……めんどくせぇ餓鬼だな……｣
舌打ちをした銃兎は眉間に皺を寄せ溜息を吐く。だが直ぐに表情を切り替えて、作り物ではあるが笑顔になった
｢毒を吐くのはこれぐらいにして、彼女を起こしますか｣
｢そうだな。銃兎も帰ってきた事だ、貴殿の分もご飯を作ってある。準備をしよう｣
｢うﾞっ、えっと、その料理は冷蔵庫にある材料で作りましたか……？｣
｢あぁ。狩りに行く時間もなくてな、使わさせてもらった。すまない｣
｢あぁいいえ良いんですよこちらこそ態々作って頂き助かります。では彼女を起こした後着替えてきます｣
腹が減っていたのだろう、早口で銃兎は喜びを表すと衣類を持って寝室へと姿を消した。ふむ……彼の様子を見るに、定期的に小官が料理を作りに行った方が良いのかも知れないな
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刹那(プロフ) - 雪女さん» 雪女さんコメントありがとうございます！十四君のセリフは色々調べに調べて書きましたのでそう言って頂けると嬉しいです！彼の再登場はかなり先になってしまいますが、楽しみに待って頂ければと思います！ (5月26日 10時) (
レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 続きが気になります更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎)十四くんとの絡みよかったです(*^^*) (5月26日 0時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - ナミさん» ナミさんコメントありがとうございます！！17章まできてじわじわと忘れられていた過去が明らかになって来てます！！果たしてその過去が全てが明かされた時に何が起こるのか……。夢主ちゃんを可愛いと言っていただけるなんて嬉しいです！！(*´ω｀*)更新頑張ります！！ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します｡夢主ちゃんの過去が分かってきてますね!序章のころと比べて明るい夢主ちゃんがかわいいです♡更新も頑張ってください(^^) (2023年3月30日 22時) (レス) @page18 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2023年3月28日 0時
