871話 眠たいんだ ページ41
コンコンコン、とノックが響いた
扉の方へ顔を向けると入ってきたのは理鶯さんだった。彼は私の顔を見るなり目を大きくし、慌てて駆け寄って来てくれた
｢大丈夫かA｣
『はい、すみませんご迷惑を──』
｢謝罪は要らない、そう言っているだろう？｣
『うぅ……』
｢神宮寺、代わりに彼女を見てもらって感謝する｣
｢いいえ、患者のメンタルケアをするのも医師の務めですから。それよりも君のやるべき事は終えたのかい？｣
｢あぁ｣
｢それは良かった。もうすぐ点滴も終わります。薬も処方しておきますから、それで経過を見て下さい。薬が無くなっても症状が良くならなければ、また来て下さいね｣
『ありがとうございます、寂雷さん』
｢ふふっ、左馬刻君と仲直り出来る様に祈ってるよ｣
『っはい！』
点滴は数分が経てば空となった。寂雷さんは慣れた手つきで私の腕から針を抜いて、絆創膏をぺたっと貼る。そして｢もう大丈夫だよ、お大事に｣と言ってくれたので、もう一度お礼を言って部屋を出た
まだぼーっとしてて咳も出るけど、最初よりは体力も気分も安定している。でも心配だからと理鶯さんは、寂雷さんと別れた後からずっと私をおんぶしてくれている
流石に目立つから恥ずかしいのに、これも風邪の所為だろうか、受け入れられて更には理鶯さんの肩にぎゅっと顔を埋めた。大丈夫でも、まだ心細いのかもしれない
会計が終わりお薬も頂くと、誰から借りたのだろうか見慣れない車で病院を後にした
体全てを助手席に預けながら隣で運転する理鶯さんを見る。理鶯さんの運転も新鮮だなぁ、なんて呑気に考えていたら不意に話し掛けられた
｢A、今の症状で小官のベースで過ごすと危険だ。なので風邪が治るまで銃兎に頼んで泊めてもらう事にした｣
『分かりました』
｢成る可く小官も傍に居る。何かあったら直ぐに言ってくれ｣
『はい、ありがとうございます……』
さっきまでずっと寝てた筈なのに、彼の温かくて優しい声を聞いてると瞼が重くなってきた。子守唄みたいな耳障りの良い音は、段々と私を夢の中へと誘ってくる。悪夢を見るのは怖い。でも睡魔はそれに関係無く勢力を増して、遂には｢ゆっくり休むといい｣と言う言葉を最後に意識を手放した
・
───ズキン、ズキン、頭に痛みが走る。
────■■■！！■■■！？■■■■■■■■■■■■■■■■！！
それはノイズと共にやってきた。でも何も聞こえない、それよりも眠たいんだ
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刹那(プロフ) - 雪女さん» 雪女さんコメントありがとうございます！十四君のセリフは色々調べに調べて書きましたのでそう言って頂けると嬉しいです！彼の再登場はかなり先になってしまいますが、楽しみに待って頂ければと思います！ (5月26日 10時) (
レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 続きが気になります更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎)十四くんとの絡みよかったです(*^^*) (5月26日 0時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - ナミさん» ナミさんコメントありがとうございます！！17章まできてじわじわと忘れられていた過去が明らかになって来てます！！果たしてその過去が全てが明かされた時に何が起こるのか……。夢主ちゃんを可愛いと言っていただけるなんて嬉しいです！！(*´ω｀*)更新頑張ります！！ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します｡夢主ちゃんの過去が分かってきてますね!序章のころと比べて明るい夢主ちゃんがかわいいです♡更新も頑張ってください(^^) (2023年3月30日 22時) (レス) @page18 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2023年3月28日 0時
