【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -17章- ナカナオリの仕方

852話 これは有難い流れだー！！ ページ22

｢A！？一応確認するが使うカード合ってるか……？｣


そんなに信じられない行動をとっているのだろう。一郎さんは丸々なオッドアイをぱちくりさせている。そんな彼に『大丈夫です、合ってます！』と自信満々に頷いた

状況が分からない二郎さんはキョトン顔、何か裏があると顎に手を当てて考え込む三郎さん。肝心の一郎さんはと言うと僅かに顔を歪ませていた
恐らく狙っていた展開を壊す事が出来たみたいだ


｢そ、そうか……それならそのまま進めるぜ。二郎と三郎は自分を護る系のカードだよな？｣

｢はい、僕は3ターンの間インターセプトカードとカウンターカードの効果を受けません｣

｢俺はカウンターカードを跳ね返す効果だよ｣

｢うーん……3人全員じゃないが使うしかなさそうだな｣


そう言って場にとあるカードを出した
“弁慶の泣き所。相手が自身を護る効果のカードを使用した時に発動出来る。同時使用者が多い程、相手全員に与える効果が増える。1人 護る効果を破壊する。2人 護る効果のカードを3ターン使用出来なくする。3人 2ターン行動不能にする”

成程、私達を動けなくしてその間にゴールするつもりだったみたいだ。条件が多くて使い所が難しそうなのに、“強制参加”とのコンボで上手く発動するなんて……！！

感動している私の横で、二郎さんと三郎さんは慌てていた


｢やっば！貴重なカード無駄打ちしちまった！｣

｢それだけじゃない、ゴール間近で護る効果が使えないのはマズイ！！｣

｢出来れば行動不能にしたかったが……まぁ護れなくするだけでも大きいか。──そうそう念の為に言っておくが、Aも使えなくなるからな｣

『うわっ、確かにそう書いてますね！？丸腰かぁ……！』


頭を抱える私だが、心の中ではニヤリと笑っている。まさかそんな美味しい展開になるとは、流れが私に来ている様だ


｢では一兄、Aさんのカード効果のダイスです。ほら二郎、拾え｣

｢何で兄ちゃんには手渡しなのに俺には放り投げるんだよ！！｣


一郎さんのターンのダイスの前に、私の効果のダイスを振る3人。予測不能な私の行動に、疑問や戸惑いの顔な彼ら

──計6個のダイスが小さな世界の上で転がる。一郎さんは9、二郎さんは7、三郎さんは12。最大値を叩き出した三郎さんは、1番ゴールに近かったと言うのもありゴールに辿り着いた

驚く二郎さん、運の良さに感心する一郎さん。────しかし、三郎さんだけは漸く私の思惑に気付いたようで焦りの声を上げた

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