761話 減るどころか増えてしまった……!? ページ24
ぐわぁつ!!ぐわぁつ!!ぐわぁつ!!
「あ゛ぁぁぁー!!生き返るぅう!!!」
『ふふっ、凄い食べっぷりですね』
「一日ぶりの飯だからな!!」
皆の目から逃げるように小走りでコンビニに立ち寄り、体に良さそうな弁当や味噌汁を購入。ついでに私も小腹が減ったのでおにぎりを1個買った。出来れば座って食べたかったのでコンビニ近くに設置されていたベンチに座ろうと提案すると、快く受け入れてくれて2人仲良くご飯を食べる
帝統さんは極限状態にいたからか、勢いしか感じない食べっぷりに思わずクスリ。弁当これだけで足りたのかなぁ、なんてちょっぴり不安になりながら私も鮭おにぎりをパクリ
モグモグ食べつつ横で一生懸命食べている帝統さんに視線を注いでいたら、誰かに声を掛けられた
「おやおや、なにやら盛大に食べている方がいると思えば帝統ですか」
「ん!?おぉげんあおー!!」
「ちゃんと飲み込んでから喋りなさい。下品ですよ」
「ごくん……っは。幻太郎じゃねぇか!!」
「米粒口元についてますよ」と溜息をついたのは夢野──じゃなかった、幻太郎さんだった。見た所ペンとメモ帳を持っていたので、恐らく小説のネタ探しをしている最中で、私達を見つけたから話しかけたのだろう
『幻太郎さんっ!お久しぶりです!』
「お久しぶりですAさん。小生との約束覚えてくれたんですね、嬉しいです」
『はいっ!ちょっと緊張しますけど……』
えへへ、と頬を掻きながら答えると「名前だけでそんな大袈裟ですよ」と微笑んだ幻太郎さん。しかし直ぐに険しい表情になり、帝統さんを睨む
「帝統、まさかと思いますが、その弁当はAさんに買ってもらった……なんて言わないですよね?」
「んぐっ……。いや、その、あっははは……」
「貴方って人は全く……」
さっきよりも大きい溜息をついた幻太郎さんは、懐から財布を取り出すと、千円札を掴み私に差し出した
「帝統がまたまたご迷惑をお掛けしました。貴女が支払った代金、全て小生が肩代わりしますので」
『そ、そんな大丈夫ですよ!!それに千円も掛かってないですし!!』
「ご飯代、迷惑料、お気持ち込みだとそのぐらいですよ。いや寧ろ足りません」
幻太郎さんの押しに負け、いつの間にか私の手には千円札。あわわ……こういうのは受け取っていいんでしょうか……!?
プルプル手を震わせながら千円札を見つめる私。その隣では幻太郎さんが帝統さんをペシッと軽く頭を叩いて叱っていた
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作者名:刹那 | 作成日時:2022年8月23日 15時