【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -11章- Welcome to Toto Dreamland！！

585話 まさかの偶然 ページ45

萬屋ってのは頼まれた事なら何でもするのが仕事だ。ペットを探すのも、壊れた屋根を直すのも、人の道から外れないモノなら誠心誠意尽くすのが、俺のポリシーだ




何だが……




｢ほらお礼を言いなさい｣

｢うんっ！ドリーマーありがと！｣



まさかあの世界的大スターのドリーマーの中に入る事になるなんて思いもしなかった
いや、本来は中身なんてねぇ。夢の国の王様なんだから


流石にドリーマーでも年中無休で大勢に夢を与え続けてたら体調ぐらい崩す。だからこそ影武者とかいるらしいんだが、奇跡的に全員体調不良等で都合が悪く、急遽萬屋ヤマダに依頼をしてきたらしい

他にプロの人とかいるだろうし、そっちの方がいいんじゃないかとかは思わない事も無い。まぁ依頼されたからには全力で打ち込む


今の所、バレる事もなく仕事をこなせている。よく二郎と好きなキャラの技とか仕草とか真似してるけど、まさかここで役立つとはな……、なんて考えながら女の子に手を振って見送る


正直ここに来る子供達はめっちゃ可愛い。昔の二郎と三郎を見てるみたいだ。今も充分可愛いが、この歳はまた違った可愛さがあんだよなぁ……
今日1日だけの仕事だが、いい経験ばっかりしている。土産も沢山買って色々あいつらに話してぇな


撮影係のレジデントが次の撮影の為にカメラ等の調整をしている間に、お客さんが身だしなみを確認する様に置かれている全身鏡を見れば、よくテレビで見かけるスターが映る


ラットと名前がある通り大きな耳が特徴的な愛くるしい白いネズミ
服装は茶色の革ブーツに黒のズボン、ドリームランドの象徴である城のイラストが描かれた青色のトップス、腰辺りには茶色のベルトが締められ、白いファーがある赤いマントを羽織る。そして、頭には王冠

因みに子供が恐れる悪夢を倒すのが王様の使命。だから白き光を照らす対魔の剣、ってのを持っているんだが、子供にぶつかると危ないから撮影係のレジデントに預けている
これはパレードとかのパフォーマンスで使うらしい


撮影だけじゃなくてパレードにも参加させてもらえるなんて楽しみだなぁ、成功させねぇと。つーか剣を持ってパフォーマンスとかテンション上がんなぁっ！

言葉は発しないが心の中はスゲェ騒がしい中、レジデントは次のお客さんを呼んで来た


さて次はどんな子が――


『おっ！本物ですよ左馬刻さん！』

｢そりゃソイツの家だからな｣



何でよりにもよってテメェがいんだよ左馬刻ィィイイッ！！！

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