564話 やっぱり泣いてる顔より―― ページ24
覚悟を決めて彼女に俺の
口に両手を当てて、信じられない物を見ているかの様に彼女も目と口を大きく開いていた
――あぁ、その口から何て言葉が出てくるんだろうか……
「み……醜い……よね?ハハッ……ホストの俺がこんなんだったら皆……幻滅する……よね……」
自嘲する言葉が溢れて止まらない。本当の俺はそうなんだ。独歩の事いつもネガティブだって笑ってたけど、実際俺の方がネガティブだし、暗いんだ……
『……何が醜いんですか?何が幻滅するんですかっ!!』
――ふわり。
そんな温かくて優しい感触が俺を包んだ。
『そッ……そんな事……思う訳ないじゃないですか……ッ!!』
ポタポタと俺の背中に雫が伝ってくる
熱くない、温かいモノ。傷を負った場所なのに不思議とその液体は怖くなかった
視線を落とすと彼女の腕が見えた
あぁ……そうか。俺、抱きしめられてるんだ……
『誰に……されたんですか……ッ!!』
怒りなのか悲しみなのか、震えた声で聞いてくる彼女。俺は包み隠さず、全てを話した
すると、泣いていた彼女はもっと泣いちゃった
『何で……何で同じ人間なのに……』
「たまたまなんだよ」
そうたまたまだ。あの子が異常な性格だったのも。あの子に気に入られたのも。同じ学校に通ってたのも。全てたまたま――偶然なんだ……
どしたら泣き止んでくれるかな?なんて言葉を考えてたら、ゆっくりと彼女が顔を上げた
目は真っ赤でそこから栓が抜けた様に涙が流れ続けている
『一二三さんは凄いです……。こんな事されても、女の人を克服しようとするなんて……』
「そんな事ない。Aちゃんの方が全然凄い」
そういうと彼女は『私なんて……』って呟いた
変なの。君は人のエゴで兵器されて、自由を奪われて、外の事なんて知らなかったのに。それに比べたら俺なんて小さく見えちゃうよ
『私はとある人のおかげで今の私になれたんです。だから……その人がいなかったら、私は人を憎んでたし、きっと……』
「俺っちにはそう思えないよ?」
『えっ……?』
「だって自分の性格なんて人に左右されても、根本的には変わらないと思うんだ。だからさ、憎んでても……Aちゃんは優しい心は持ってたと思う」
えへへって笑えば、照れた様に眉を八の字にして漸く笑ってくれた。やっぱAちゃんって優しいし、笑った顔が可愛いや
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にゃんこ(プロフ) - そうですね。お互い気をつけましょうね。 (2021年10月23日 19時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもありがとうございます!はい!体調は全然大丈夫です!お気遣いありがとうございます!にゃんこさんも最近肌寒くなってきてますので、風邪などにお気をつけ下さい! (2021年10月23日 19時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもありがとうございます!!こちらこそついていきますよ姉貴!!←←← (2021年10月23日 19時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - こんばんはです。刹那さん更新お疲れ様です体調とか大丈夫ですか? (2021年10月23日 18時) (レス) @page11 id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
おたくちゃん - 続編おめでとうございます!一生ついていきます姉貴(?) (2021年10月23日 18時) (レス) @page11 id: f5fd602faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年10月23日 15時