563話 僕の隠し事。俺の覚悟。 ページ23
――数十分前。
「て、テメェ……その背中……!?」
MTCの3人に俺の背中を見せた
それは独歩しか知らない、おぞましい事件の証拠。消えない、俺が壊れた痕
予想通りに3人は目と口を大きく開かせている
そりゃ驚くよね、顔が命とか言われてるホストの世界で生きてる俺の背中がこんなに穢れてるんだから
「誰にやられた?」
まるで戦場で負傷した仲間に聞く様に毒島くんが尋ねてくる。口にするだけでも怖いけど覚悟を決めたんだ、深呼吸して答える
「高校の時、女の子にされたんだ……」
「女だと……!?」
「正気の沙汰とは思えませんが……何があったのかお聞きしても?」
「その子は少し変わってて……人を痛めつけるのが好きみたいでさ……。たまたまそのターゲットが俺になっただけ……」
「好きというだけで……!?」
あぁ吐き気がする
やっぱりこの姿になったらあの子の声が頭の中で木霊する。独歩は心配そうに俺を見ている。だから大丈夫と返事する様にぎこちない笑顔で返した
でもそれがより不安を煽った様で、一層顔を険しくさせちゃった
「先生らは知ってたのか?」
「いえ、私は今初めて知りました」
「お、俺は同じ学校に行ってたので……」
大丈夫。Aちゃんはあの子じゃない
だからこれだけ怯えてても意味無いんだ。必死に自分に言い聞かせる
「貴殿はこれ程までの傷を負っていたのだな……」
「なら女性恐怖症になってもおかしくはないですね……」
変わるんだ。Aちゃんとなら話せたんだ。触れられたんだ。だから――
「それでも女と、Aと関わろうとしてくれンなら男みせろ伊弉冉」
ポンッ、と左肩に何かが乗った
ずっと考え事してたから最初は何かが分からなかったけど、それは碧棺くんの手だった
ヤクザという役職の割には綺麗な手。俺の背中と全然違う
「アイツは馬鹿みてぇに優しい奴だからよ。受け止めてくれンだろ」
いつも眉間に皺が寄ってておっかない顔をしてるのに、そういう時はとても優しい顔をしてる。だから先生は昔チーム組んでたのかな……?
「う、うん……っ!お、俺、頑張る……っ!」
「一二三……」
「ハハッ、テメェの口から言えんなら大丈夫だな。さっさと行って終わらせようぜ。さっきからチラチラ見えてんだが、アイツ探検してるみてぇなんだわ」
ササッと俺の横を通って進んでいく碧棺くん。それに続く様に皆も彼女の元に向かった
――彼女は自分の事を言ってくれたんだ。だから俺も応えるよ
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にゃんこ(プロフ) - そうですね。お互い気をつけましょうね。 (2021年10月23日 19時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもありがとうございます!はい!体調は全然大丈夫です!お気遣いありがとうございます!にゃんこさんも最近肌寒くなってきてますので、風邪などにお気をつけ下さい! (2021年10月23日 19時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもありがとうございます!!こちらこそついていきますよ姉貴!!←←← (2021年10月23日 19時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - こんばんはです。刹那さん更新お疲れ様です体調とか大丈夫ですか? (2021年10月23日 18時) (レス) @page11 id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
おたくちゃん - 続編おめでとうございます!一生ついていきます姉貴(?) (2021年10月23日 18時) (レス) @page11 id: f5fd602faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年10月23日 15時