【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -10章- それは私にとって幸せな時間。心休まる場

535話 火傷しないんですか！！？ ページ44

結構な勢いで吹き出すらしいので、皆一二三さんから離れて待機する。私と独歩さんは心配の眼差しで見ているが、他の皆はまだかまだかと期待の眼差しだ


｢よぉーっし、火つけちゃうぜェ！！｣


そう明るく言えば花火に火をつけた一二三さん。一瞬小さな火が灯れば、続く様に筒から火山噴火が起こった


｢うぉおおおおっ！！！すっげええええ！！｣


真横で火柱が立ってるのに本人は楽しんでる様で、目を輝かせながら叫んでいた。筒からボーッと先程の小さな花火とは比べ物にならない音が鳴り響き、火花が夜空を焦がしていく


『えぇぇええ！！？想像以上の火花なんですが！！？』

｢ダーッハハハハッ！！アイツヤベェなッッ！めっちゃ火花当たってんぞっ！｣

｢興味深いですね。線香花火の様な静かな物も良いですが、派手な物も見てて楽しいですし気持ちがいいです｣

｢一般人用とは言えとてつもない火力だ。日本の花火は凄いな｣

｢あわわわ一二三大丈夫かッ！？｣

｢だいじょーぶい！！めっちゃ熱いけど！！｣

｢彼の髪の毛焦げなければいいですがね、ふふっ｣

｢うぉぉぉおおおおっ！！！｣

｢ヒィーッ！めっちゃ笑えるわあの絵ッッ！｣


吹き上がる火花は空中に舞うと、流れ星の様に地面に降り注ぐ。何も知らない人が見ると火事だと思われてもおかしくない状況だが、ここは田舎の公園。誰も通らないので思う存分遊べるし、声も上げられる

笑い声、楽しんでいる声、心配の声。様々な声が花火の音と共に響き奏であい、笑顔が咲き誇る。
皆と過した事実がまた増える。楽しい思い出が増える。このまま幸せが時間が続いて欲しいと、胸の熱さが主張してくる。


『ぷっ、ははははっ！』


皆が私の居場所。素でいられる、心休まる場。カメラを構える事すら忘れ、燃え盛る炎に照らされる皆を見た。
皆、私が見てる事に気づかないまま一二三さんを見ている。
今日色々あったけど、皆仲良く元通り。明日はテーマパークに行くらしいけど、どんな事が起こるだろう？きっと楽しい事が起こるんだろうなぁ……

なんて思いながら雄叫びを上げ続ける一二三さんの方に顔を向けた


――バァンッ！！


突然筒が爆発し、底の方が吹っ飛んだ


｢あ゛っっちッ！！！｣


事故なのかそういう仕様なのか分からないが、花火はそれを最後に静まった。明るかった周りは暗くなり音もなくなったので一二三さんの声がより私達の耳に届いた

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