533話 銃兎さんの様子がおかしいぞ!? ページ42
『銃兎さぁーん、本当にどうしたんです?』
「あ、いや、その……」
基本スマートな銃兎さんが珍しく動揺しまくっている。でも何かを伝えたい様に見えたので、急かさず静かに待ってみた。すると、覚悟を決めたのか深呼吸をして顔を此方に向けてくれた
「先程は……お恥ずかしい事を聞かれてしまって……」
自信の無い言葉は必死に紡がれる。私がどんな表情をするのか様子を伺う様に瞳は忙しく動いていた
「左馬刻の言う通り偉そうにやり方を言っていましたが、実はおにぎりを握る……と言うより料理全般が苦手なんですよ」
どうやらカミングアウトされた事が恥ずかしかった様だ。誰しも苦手な事とかあるから仕方ないと思うけど、何でそんなに動揺してるんだろ?
『そうだったんですか?この前泊まらさせて頂いた時、手際良かったので意外です』
「ある程度簡単な物くらいは作れと2人に煩く言われてたのでね。ですが、それまでは卵すら割れなかったんですよ?」
『それなのに左馬刻さんにお願いして練習してたなんて……。すみません忙しい中余計な事を増やしたみたいで……』
申し訳ない事したなぁ……と罪悪感に駆られていると、銃兎さんは「そんな事ありません!」と先程と違いハッキリと言い切った
「これはただ私が見栄を張りたかっただけなんです」
『見栄、ですか?』
「貴女の前ではカッコよく見せたかったんです。――ふっ……今考えると餓鬼臭い事をしてましたね」
『何言ってるんですか銃兎さん。そんな事しなくてもいつもカッコイイじゃないですか』
照れくさそうに微笑む銃兎さんだが、言ってる意味が分からなかったのでそう答える。すると不意打ちを食らったように「なっ!!?」と驚きの声を漏らし、その勢いで眼鏡をズラした
「あ、貴女って人は……。ホント……はぁ……反則だろ……」
『は、反則……?』
「ック……クククッ、ハハハハッ!」
突然銃兎さんは手で顔を覆い笑い始めた。壊れたのか!?さっきから銃兎さんの言動が読めないんですが……!!?
目を大きくし瞬きしていると、笑い終えた銃兎さんが私の頭を優しく撫でて来た。そして困った様に眉を落とし、自嘲の音を含ませた声で話を続けた
「全くお前には敵わない……俺が馬鹿らしく思えてくる」
事務的な性格は止めたのか素で接してきたので、思わず口をポカンと開けてしまう
「よくそんな恥ずかしい事言えるな。ま、そういう馬鹿正直な所が好きなんだが」
『す、好き!!?』
534話 大人っぽい立ち振る舞いをしたいんですけどね……→←532話 蛇玉って何か独特だけど、見入っちゃいますね
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刹那(プロフ) - にゃんこさん» 嬉しいお言葉……っ。ありがとうございます!! (2021年9月28日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これからも応援しています。 (2021年9月27日 23時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもコメントありがとうございます!!楽しみにして頂き嬉しいです!!(*´ω`*) (2021年9月27日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - おめでとうございます。スッゴク楽しみにしていました。 (2021年9月27日 22時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもコメントありがとうございます!!私解釈のMTCは気に入る人物には甘々なんですが、それを尊いと言って下さり嬉しいです( ◜ω◝ ) (2021年9月25日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年9月22日 22時