525話 打ち上げもいいけど、手持ちも楽しいです!! ページ34
他愛の無い会話を楽しみながら歩いて行く事数分。数本の街頭に照らされた公園が見えてきた
スマホをしまった独歩さんは彼処だと指を差したので、そこに踏み入れる
その公園は砂利が敷き詰められ、少し錆び付いた遊具達が端の方でひっそりと置かれていた。周りは田んぼばかりで多少叫んで暴れ回っても近所迷惑にはならなさそうだった
「さっ!時間も遅いしちゃっちゃと準備スタート!!」
「と言っても花火出して蝋燭に火を灯すだけだけどな」
独歩さんの言う通り花火の準備はそれだけで、私達が手伝う事無く準備は終わった。各々好きな花火を持ち、いよいよその時に
ユラユラと踊る様に揺れる火に花火の先端を翳すと、細い棒から勢い良く花火が吹き出した
『おぉ!凄いです!!』
「危ねぇから振り回すんじゃねぇぞォー」
「アッハハハッ!!やっべぇっ!ファイヤー!!!」
「一二三っ!!花火2本持ちで振り回すな!!」
「A、丁度いい悪い見本があるぞ。アレはやんな」
『り、了解です……っ!!』
「やれやれ、彼本当に私と同い歳ですか?」
「ふふっ、一二三君はいつも元気いっぱいですからね」
花火を振り回し走り回る一二三さんを見ながら各々花火を楽しむ。殆どの人はやれやれと苦笑いを浮かべているが、理鶯さんだけは何も言わず1人しゃがみ込み、ただ花火を見ていた
『理鶯さんどうかしました?』
「む?
あぁ、とても綺麗だと思ってな」
理鶯さんがもっている花火は所謂スパークと呼ばれる物で、弾け飛ぶ火花が理鶯さんの表情をハッキリと映す。目は優しく細め、花火が映る蒼い瞳はキラキラ輝いて、穏やかに口元を緩ませていた
その隣に左馬刻さんと銃兎さんが腰を下ろし話しかける
「なんだ理鶯ォ、随分静かじゃねぇか。楽しんでっか?」
「勿論だとも。小官は今まで火薬は危険物しか握っていなかったが、こうして貴殿らと花火という物を楽しむ事に感慨深いと感じてな」
「確かにそうですね。昔の状態だと、花火なんて絶対にしなかったでしょうね」
「人生、何があるか本当に分からないな」
「ハハッ、確かにな」
3人はクスリと微笑むと一斉に私を見た。その表情から馬鹿にはされて無い筈だけど、何故私を見る……?
首を傾げていると、4人の花火は段々と勢いを無くし静かに灯りを消した
『お、もう終わっちゃいましたね』
「まだまだ花火はあンだ。他のやつも試してみっか」
「あぁそうだな」
「ふっ、何だかんだ左馬刻が1番はしゃいでますね」
526話 線香花火で勝負です!!→←524話 困った時の軍人さん……?
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刹那(プロフ) - にゃんこさん» 嬉しいお言葉……っ。ありがとうございます!! (2021年9月28日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これからも応援しています。 (2021年9月27日 23時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもコメントありがとうございます!!楽しみにして頂き嬉しいです!!(*´ω`*) (2021年9月27日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - おめでとうございます。スッゴク楽しみにしていました。 (2021年9月27日 22時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもコメントありがとうございます!!私解釈のMTCは気に入る人物には甘々なんですが、それを尊いと言って下さり嬉しいです( ◜ω◝ ) (2021年9月25日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年9月22日 22時