517話 俺とあの馬鹿の約束 ページ26
ピロロ♪
突然男の電話が音楽と共に震え出した。表示された番号を見るなり、はぁ……と面倒くさそうにため息をつく。そして応答を押し、スマホを耳に当てた
《今何処にいるのです?》
名を名乗らず直ぐに男の現在地を聞く声は女性のモノだった。冷静だが、少し威圧的で怒りが滲んでいる
その声に男はハハッ、と余裕そうに笑う
「何処って祭りだよ祭り。俺が作った花火がどんな風に上がるか見てぇじゃねぇか」
《また勝手な事を……》
「それが俺のビジネスだからな、苦労したがいい稼ぎにはなったぜ?」
《昼頃から我々の監視下から逃れ何をしていたのです?》
「なぁんだお前ら俺を見張ってたのか?プライバシーの侵害だぜ?」
《真面目に答えて下さい。私は貴方に多額のお金を支払っているのです。これからも勝手な行動をされるのであれば――》
「分かってるっての。確かに勝手な行動だったが、お前さんらの注文通りにはしてんだ。ラップバトルまでにはキャンセラーも完成する」
《そうですか……》
「ったく、俺はこんなに働いてるのにそんな言い方をしやがって」
《それは失礼しました。ですが、今回の行動は目に余るモノです。お次は気を付けて下さい》
「へいへい、気をつけますよ」
ブツリ、と遠慮無い音が響く
男はスマホを仕舞い立ち上がった。そして、不敵な笑みを浮かべる
「はぁ……ずっと見張られるのも苦労すんねぇ。こんな歳になってモテ期が来るなんて、おいちゃん困っちゃうぜ」
空になったパックをゴミ箱に捨て青髪の少女をチラリと見た後、人混みの中に紛れていく
計画通りに事が運び、男は太鼓の音に乗せ鼻歌を奏でる
「おい一二三、それ買いすぎじゃないか?全部食べられないだろ」
「何を言っているんだい?独歩君の分もあるよ?」
「はぁ!?そんなに食べられないぞ!」
「大丈夫!独歩君はもっと食べた方がいいよ!」
「ふふっ、もし無理そうなら私も頂きましょうかね?」
「そうして頂けると助かります……っ」
途中、自身の罠に填めた人物とすれ違う
そして小さく呟いた
「アイツと仲良くしてやってくれ」
「ん?」
「どうした一二三?」
「いや、何か言われた様な……」
MTCの予想通り、執恵奏と男は繋がっていた。一二三が温泉街に来る情報を流し、都合のいい場所を作り攫う時にはジャケットを脱がせる様に仕向けた
――アイツには友達が沢山出来て欲しいんだよっ!
全ては過去に交わしたとある男の
518話 やはり理鶯さんは花より獣なんですね……→←516話 さよならはまた会う為のおまじない
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刹那(プロフ) - にゃんこさん» 嬉しいお言葉……っ。ありがとうございます!! (2021年9月28日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これからも応援しています。 (2021年9月27日 23時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもコメントありがとうございます!!楽しみにして頂き嬉しいです!!(*´ω`*) (2021年9月27日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - おめでとうございます。スッゴク楽しみにしていました。 (2021年9月27日 22時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもコメントありがとうございます!!私解釈のMTCは気に入る人物には甘々なんですが、それを尊いと言って下さり嬉しいです( ◜ω◝ ) (2021年9月25日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年9月22日 22時