【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -序章- (ページ46)

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44話私も犯罪者なんですページ46

予想と反して優しい声がした
驚いて下げてた頭を上げてしまう

｢彼女のおかげって事は犯人の居場所を警察に教えてくれたってことでしょ？ですよね？｣

『いや…私はそんな……』

｢何を言うんですか
貴女が今まで取引きした組織等の情報を教えてくれたじゃないですか｣

『で、でも奪ったのは私だから……私も……』

｢君も怖かったんでしょ？｣

『えっ……？』

男はケラケラと笑いながら話を続けた

｢まぁ流石にあの日は俺も怖かったけどさ後々冷静になってくると君の表情がなんか頭に離れなくってさ……無事なのかなって、俺へんかな？｣

泣いてた私ってそんな酷かったのかな……
でもそれでもやってた事は最低なのに……

『ｸﾞｽｯ……な…なんで……私なんか……』

声が震えてうまく話せなくなってきた
涙が溢れて相手の顔なんて見れやしない……

｢んーーわかんない！
でもさあんだけアザだらけで泣きながら謝られたら何か事情があるのかなって思っちゃうよ
よくドラマとかで見る恐怖で逃げ場をなくした子が犯罪に手を染める系の奴かなって｣

｢実際にそうだったみたいですよ
彼女１回自首しに行こうとしたみたいですが、犯人に気付かれ違法マイクでまた洗脳をかけられていましたし｣

｢やっぱり？それなのにこうして君が返しに来てくれたって事はその洗脳すら打ち破ったってこと？｣

｢そうですね
我々の前でマイクを奪い去っていきましたが、犯人に手渡す前に洗脳を自力で解き我々の元に戻ろうとしていました｣

私が泣いててうまく話せない状態の中 2人は会話を進める
なんか入間さん事実をちゃんと言ってるけど綺麗な所だけ言ってる気がする……
私が何も知らないせいで自分から進んでマイク狩りをしていたって事なんで言わないんだろう……

頑張って訂正しようと口を開こうとしたら入間さんはそれを遮った

｢ではまだまだ行かなければならないのでこれで失礼します｣

｢朝からお疲れ様です！｣

入間さんは私の手を握り強制的にその場から離す様に引っ張るとそのまま車に乗せられた

何かが違うと不満気な表情で運転席に乗った入間さんを見ると、視線に気づいた銃兎さんがいつもの笑顔で首を傾げる

｢おや？何故そんなに怒っているのです？｣

『何故自分から進んでマイク狩りをしたと言わなかったんですか？私が言おうとしたら遮りましたよね？』

そう言うと入間さんは眼鏡を怪しく光らせニヤリと口角を上げた

｢おやおやバレていましたか……｣