12話 とある3人の食事 ページ14
──土曜の昼頃
入間銃兎と碧棺左馬刻は悪態をつきながら、森の中を歩いている
同じチームメンバーである毒島メイソン理鶯に会う為だ
なんでも、仕事を頑張ってる入間に馳走したいとの事
だが、目的に近づくにつれ2人の顔色は悪くなる
｢銃兎ぉ……顔色悪いじゃねぇか……？｣
｢それはこっちのセリフですよ
私は徹夜続きなのでそう見えるだけですよ｣
｢テメェ…少しでも残したら承知しねぇぞ……｣
｢えぇ 分かってますよ……｣
目的地に着くと理鶯は鼻歌を歌いながら 何かを煮込んでいるのが見えた
2人の気配に気づいた理鶯は直ぐに振り返り微笑む。彼の手にはこれから鍋に入れるであろう材料があった
それは何かというと………
──言わない方がいいだろう
｢あぁ銃兎、左馬刻。少し早かったな。すまないがそこで待っていてくれないか？あと少しで出来る｣
彼はそう言って材料を鍋に入れた
その様子を見て2人の表情は引き攣るが、直ぐに笑顔を作る
｢す、凄く美味しそう……ですね｣
｢な、何作ってんだ理鶯？｣
｢小官特製カレーだ。色々なスパイスを入れたから疲労回復 滋養強壮などに効果がある｣
｢体にも気を使っていただき感謝……します｣
｢後は今日取れたカエルやゴキ…｢り、理鶯 俺様喉乾いたんだが水は何処だ？｣……む、水ならここにある｣
これ以上 説明を聞きたくはなかった左馬刻は無理やり遮り話題を変えた
彼の作る料理は絶品だ
材料を気にしなけば何杯でも食べられる 材料を気にしなけば……
水を飲み終えた左馬刻は、未だに青い顔をしている銃兎の肩を組み耳打ちをする
｢まだ今回はまだ見た目的にセーフだな｣
｢なんで聞いたんだよテメェは……聞かなければまだマシだっただろうが……｣
｢食べた後に説明されたら吐いちまうだろうが……｣
｢む？どうした2人共｣
｢いやぁなんでもありませんよ理鶯｣
｢つーか もう出来たのか？｣
｢あぁ完成したぞ さぁ椅子に座ってくれ
小官特製カレーライス。おかわりも沢山あるぞ｣
満足のいく完成度に理鶯は花が舞う様な笑みを浮かべながら、テーブルの上にカレーライスを人数分置いていった
その見た目は普通のカレーライスと全く一緒なので、2人はまだ今日は食べやすいなと気づかれない様に胸を撫で下ろした
準備が整った所で、3人は席につき手を合わせた後カレーを食べ始めた
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作者名：刹那 | 作成日時：2020年12月14日 12時
