シ ョ ー ケ ー ス 越 し【 うらたぬき 】

sweet17.魅了〈side.夢主〉 ページ17

はじめてのお誘い。


これは期待していいのかな、なんて思ったけど⋯

なぜか、見てほしいものがある、と言ったきり、渉くんはどこかへ行ってしまった。

そのため、今は案内された場所に一人ぽつんと座っているだけ。


見えるものはライブステージのようなもの。
携帯の電源も切ってくれると助かる、と言われ、電源は落としてしまったので連絡の取りようがない。


⋯あーあ、デートかなってちょっと思っちゃったのに。

でも、渉くんが服のことを褒めてくれたの、すごい嬉しかった。

玲乃先輩に選んでもらった甲斐があったな⋯今度お礼言わなきゃ。


＿＿すると。

突然、歓声(？)に包まれた国技館内。


"⋯らしま⋯かせ⋯⋯っちゃっ⋯ちゃ"


｢え？なんて言ってるんだろ｣


しかしその声は何度も繰り返され、徐々に大きくなってくる。


"うらしまさかせん！ちゃっちゃっちゃちゃちゃ！"


｢うらしまさかせん？｣


繰り返されるコールに戸惑っていると、突然コールが止んで、黄色い声が上がった。


｢ん？え？え？｣


私が状況を理解出来ずにいるまま、ステージ上に出てきたのは４人組。

しかも⋯


｢え、あれって⋯｣


"浦島坂田船"

そう名乗った彼らは、ステージでキラキラと輝いていて。


｢え、ねえ渉くん⋯！｣


うらた⋯ぬき？

何か違う名前を名乗っていたけど、ステージにいる彼は間違いなく渉くん。

他の３人は誰かわからないけど、４人ともすごく、すごく＿＿


｢かっこいい⋯｣


曲に乗って、楽しそうに歌う４人、灯る４色のペンライト。


みんなの声援の先。

＿＿そこにいたのは、私の知らない渉くん。


でも、わかることがひとつだけ。


⋯ああ、今この瞬間、私はこの人たちに魅了されているんだ。



＿＿そこから先は、続くライブに身を委ねることしかできなかった。


＊＊＊＊

ついに両国ですね！作者参戦するのでこんな時間に更新しております⋯すみません|ω･`)

行く方！一緒に楽しみましょうね！
両国編もあと一、二話で終わるつもりです！

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