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「もしもし、」

北山だ。

「もしもし、藤ヶ谷だけど」

「ん、どうした?」

「んと…」

言葉が出てこない。

「今どこ?」

「え?」

俺は思わず聞き返した。

「だから今どこ?そこいくから。」

「そんな夜遅いしわるい。」

「夜遅く電話かけてきたのは誰だよ。」

すみません、俺です。
どうしても声が聞きたくて。とはいえず…

「何かあったんだろ?話くらい聞くからさ。」

北山の優しさが沁みる。
好きが溢れる。
だけど…

「ありがとう。北山の声聞いたら落ち着いた。夜遅くにごめんな?おやすみ。」

俺は慌てて電話を切った。

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作者名:ルナ | 作成日時:2022年9月4日 17時

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