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もうひとつの顔 4 ページ20

「さすがに持ってきてもらうのは申し訳ない。」

「でも急ぎなんでしょ?場所にもよるけど…」

俺は彼に言った。

「〇〇スタジオで撮影してる。」

「そこなら車で15分もあれば着く。待ってて。すぐ届けるから。」

俺がそういうと、彼は一瞬言葉に詰まらせたが、

「昨日から迷惑かけっぱなしでごめん。受付には伝えておくからよろしくお願いします。」

彼は申し訳なさそうに俺に言った。

「分かった。今から行くからね。」

俺はそういうと、電話を切った。
昼間、外出する時は必ず長袖とサングラスをかける。
俺は出かける用意をサッと済ませ、彼の仕事場へ向かった。

手の届かないと思ってた相手からの思わぬ電話。そして、俺の知らない“ 北山宏光”という男を知る絶好のチャンス。
それを俺が逃すと思うか?
ここまできたら、俺と彼の出会いを偶然じゃなくて、必然にしてやりたい。
そうとさえ思うようになっていた。

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作者名:ルナ | 作成日時:2020年3月25日 1時

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