人間らしく ページ32
キジャ「…っ？(いつの間にか眠っていたか…。
…何だ？)」
目が覚めたキジャは、何かが空を切る音で辺りを見渡した。
ブンッ！
A「……」
音の正体は、Aが刀を振るっている音だった。
キジャ「…？！(陛下？！こんな夜中に…)
ぁ…」
ガッ！
と、何者かがキジャを後ろから引っ張ってその口を手で塞いだ。
キジャ「…っ？！！」
ハク「邪魔すんな。」
その人はハクだった。
直ぐに大人しくなったキジャの口からハクが手を離すと、キジャはハクと一緒に刀を振るうAを見つめた。
キジャ「…陛下はいつから剣を…」
ハク「ずっと昔からだ。だが、俺や師匠とも会わなくなって城を追われるまでは、手をつけてなかったんだろうな…。
俺たちと再会してあんたに会う前からヒマさえあればああして剣を振ってる。
まぁ、本人曰く剣じゃなくてカタナだそうだが…。今頃起きて行った姫さんもどこかで弓矢を打ってる。」
それを聞いて、耳をすませば、ダンッと矢が木に当たる音が少し離れたところから聞こえていた。
ハク「姫さんも、あんたに会う前からヒマさえあれば打ってる。多い時は一晩二百本。」
キジャ「にひゃ？！」
ハク「大声だすな。…Aも、多い時は一晩で500回ほど剣を振ってる。」
キジャ「ごひゃ！？！」
ハク「だから大声出すな。」
キジャ「なぜあのような無茶を？"私が"いるのだから武術など必要無いのに…」
ハク「あぁ"俺が"いるからな。あいつらはなにもしなくていいんだ。
だが、姫さんは…あの人は、、己の無力を許さない。」
キジャ「……！」
ハク「姫さんは父を殺され、陛下は国に利用され謀反を起こされて、二人とも城を逃れて…。それでもこの世界で生き抜く為に、一人じゃ何も出来ない自分を恥じてる…。」
キジャは少し前にAに言われた言葉を思い出していた。
(『今は守られてばかりですが…』)
ハク「今何をすべきか、もがいてる。」
キジャ「…っ(歩き疲れたお身体なのに…。)そなたは止めぬのか？姫様や陛下に武器など…。」
ハク「…闘わせたい訳じゃない。でも、困ったことに、見ていたいとも思う…。
人間らしく、あがく姿を。」
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れ(プロフ) - 大好きな小説です、、、、更新が日々楽しみです！（＾∇＾） (2021年9月25日 10時) (
レス) @page45 id: 209bb49b1a (このIDを非表示/違反報告)
fruit - とても面白かったです 続きめっちゃ楽しみにしています。 (2021年8月13日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2021年7月9日 17時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！更新頑張ってください！！！ (2021年5月25日 2時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
まなむ(プロフ) - 待ってました！！続き楽しみにしてます^^* (2021年5月24日 16時) (レス) id: 5ac4c05584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メリ助 | 作成日時：2020年2月7日 0時
