Snow's Love (ページ14)

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結果的に言えば【しんぺい神】ページ14

｢ただいまぁ｣

間延びした声で帰宅を告げた、が、返事はない。少しだけ首をかしげ、ああ、そういえば帰りに美容室行ってくるって言ってたっけ、なんて思い出してひとり合点した。

Aが帰るまでご飯も待っておきたいし、と、俺はスーツをさっさと脱ぐとビールの500ml缶と適当なツマミを持ち、リビングのソファにドサリと腰掛けた。

テレビを付けてバラエティに切り替える。十分程して玄関から鍵を回す音がしたので帰ってきたのだ、と悟る。

『ただいま、』

｢おかえ、り、!?｣

ビール缶を倒しかけた。食べかけていたツマミを落としそうにもなった。
そりゃそうだ。

背中の中ほどまで伸ばしていた髪がバッサリ切られていたのだ。しかも緩めにパーマをかけて。後ろ髪よりもバングの方が長い。随分とメンズライクな髪型だが...その間から覗く瞳は妙に色っぽ...じゃなくて。

｢...随分と思い切ったねえ…｣

『うん、まあ、ね。』

曖昧な返事をしながらAは俺の隣にポスンと腰を落とした。美容室帰りの良い香りがフワリと香る。Aの後ろに手を回し、緩くかかったパーマに合わせてクルクルと弄った。猫っ毛な柔らかいそれが心地好い。

｢これも、可愛いなあ｣

『ほんと？良かった、』

｢何でこんなにバッサリいったん？何か嫌なことでも...え、まさか別れる気やないよね？｣

『ちが！全然そんなんじゃ...ただ、ちょっと...』

Aは、どこか慌てたように、そう返した。

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