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怒りにも似た感情が思考を占領する。
自制が利かなくなっていく。
しかし、それとは別に追い打ちがくる。
下から聞こえる荒い息音が、鼓膜を刺激する。
呼吸に混じる声が、
こんな感情の時でさえ、腹の底が重くなる。
腰が熱を持つ。
暴いてやりたい
本能が命じる。
抵抗する手を頭上で1つに纏めれば
身体がガラ空きになる。
余った方の指先で布の間を割っていく。
そして、いつもは隠れている首筋が顕わになる。
それが、情欲を駆り立てる。
誰にも踏み荒らされていない雪原。
今なら、お前の手で汚せるぞと、悪魔が囁く。
なんとも間の抜けた音がした。
葵の腹の虫だ。
「はっ。デカい音だな」
『うっ、五月蠅い』
恥ずかしいようで、そっぽを向いてしまう。
しかし、もう一度虫が鳴くので
見る見る赤くなる葵。
面白い
それに、少し気が軽くなったので上から退いてやれば
葵はいそいそと起き上がり、前を整える。
再び閉ざされる雪原も
少し勿体無い事をしたと思う。
確認する訳ではないが
もう一度想いを口にする。
そうすれば、知ってると、
立ち上がた葵がはにかんで返す。
知ってるだけじゃ困るんだよ、こっちは。
『でも、今回は本当に配慮に欠けた。
若にも悪い事をした。ごめん』
「いい。別に…」
『あんな事はしないから、多分』
「多分かよ」
『しないとは言い切れないから』
「だったら、約束しろ。
2度としねぇって」
『う〜ん。なら、指切りしない?
約束破ったら、針千本飲むから』
無言で睨み返せば冗談だよと、笑う。
そして、夕飯の支度があると去っていった。
背中で遠ざかる気配を感じながら、1人天井を仰いだ。
手に残るアイツの感触が思い出される。
耳に残る息遣い。
瞼の裏にこびり付いた、ガラス細工。
あの先を、あの続きを考えるだけで
また腹の底が重くなる
「クソっ…」
沸いてくる嫉妬と劣情に頭をかいた。
どうしれもアレが欲しい
他の誰にも渡したくない
そう思う程に、厄介な感情が沸いてくる。
自分でもらしくないと思う。
そのまま畳に背を預け、身体を横にする。
目を閉じて、空気を吸い込めば
アイツの匂いしかしない。
脳裏にさっきの情景がチラつく。
到底、こんな状況で寝れる気はしないが
全てが治まるまで、ふて寝をした。
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たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 長文になってしまい、大変申し訳ありません。以下が、この作品に設けた私なり定義です。なっちゃん様や他の読者様には、ご不便をお掛けしますが、なにとぞご容赦を頂ければと。 (2020年7月12日 8時) (
レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 2つ目は、私個人の思い入れです。葵とは、太陽向かって成長する植物です。漢字自体も太陽と関わり深く、それで紅丸との関係性を表現しています。また、紺炉と紅丸の名前に色が含まれており、設定上紺と同系色の響きのある名前でイメージを統一する必要があったからです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 1つ目は、物語の雰囲気を優先したからです。薄々とは感じて頂いていると思いますが、この3人の関係にはウェイトを置いていて書いております。その為、名前というキャラクター構成の要となる部分が不確定だと、物語を引き締められないと判断し、使用しない事にしたのです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» コメントありがとうございます。名前の変更はコレを書くと決めた時に、熟考を重ね、しないと決めたので、大変申し訳ないのですが致しかねます。長文になりますが、名前変更をしなかった理由は2つあります。 (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なっちん(プロフ) - 初めまして^^*お話とても好きです∩ω<`あの名前の変換はできないのでしょうか(;o;)?? (2020年7月12日 7時) (携帯から) (レス) id: 86e7fd8910 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぱく質 | 作成日時：2020年7月8日 21時
