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しばしの間、談笑に花を咲かせる葵とマキ。
が、誰かの悲鳴が聞こえる。
「にゃああん」
「葵さん、下がってください。ここは私が」
『え?』
振り返れば、絡み合う女体。
『あら〜』
「マキさん、すみません…」
「いいよ、タマキちゃん。また、スケベられが出たんだね」
「はい…」
「とりあえず、上から降りようか」
「はい…」
が、ラッキースケベが発動する。
紐がほどけ、はらはらと黒い布が滑り落ちる。
好奇の視線が集まる。
早く退かないと、それよりも胸をとパニックになる環。
が、肩を掴まれる。
『落ち着きなさい』
「えっ…」
『事態が悪化するだけだ』
静かに発せられた声が怖い。
恥ずかしさと情けなさで
縮めこまった体に、羽織をかられる。
そして、環を自分の影に隠すように、葵が移動する。
『お前たち……“躾直し”が必要か?』
凄みのある声。
感じたことがない圧が放たれる。
そうすれば、好奇の視線が嘘みたいに消える。
葵はため息を吐いて、環を見やる。
『すまない、ウチの男共が。後で、アイツ等にはきつく言っておく』
「いえ…。私が、こんな体質のせいでご迷惑を」
『……確かに。その体質は迷惑だね』
「葵さん、流石にそれは…」
何も言い返せない。事実だから。
でも、改めて言われると来るものはある
鼻の奥がツンとするのを、覚える環。
『だから何だ。それで、一体君の何が推し量れるんだ?』
はっきりと放たれた声。
でも、今度は怖くない。
見上げた先の、自信に満ちた笑顔に釘付けになる。
『立てるかい?』
「はい…」
しかし。差し伸べられる手を掴むのを躊躇う。
また、やっちゃたらどうしよう。
今度こそ…
『大丈夫だよ。何も起きないから』
確信めいた目が環を射抜く。
恐る恐る差し伸べられた手を掴む。
いつもならここでラッキースケベが発動する。
しかし、何事もなく立ち上がれる。
『だから、言ったでしょ?』
頬についた土を拭う優しい手つき。
それと同じくらい優しい顔で笑いかけられる。
『やっぱり、女の子は綺麗でないと』
「あっ、ありがとうございます」
『環ちゃんだったかな?女の子は、笑ってる方が飛び切り可愛い。だから、そんな顔はやめて、笑っておくれ』
頬を滑る手。細められる目。
春と見まがう程の花が舞う。
猫も杓子も葵の毒牙にかかる。
顔を両手で覆い悶絶するマキ。
熱くなる頬に手をあてる環。
タラシは己の罪の重さが分からず疑問符を浮かべた。
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たんぱく質(プロフ) - なーちゃんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるだけで、励みになります。できるだけ早くお届けできるよう頑張っていきます。 (2020年6月3日 21時) (
レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん - 紅丸大隊長、大好きなんです！書いてくれてありがとうございます！続き待ってます！ (2020年6月2日 8時) (レス) id: 7840b2b58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぱく質 | 作成日時：2020年5月24日 19時
