【ブルーロック】絵心甚八の姪は天才らしい

第47話 ページ49

「は、はい」



『ありがとう』



「．．．はい？」



『君がゴールを決めてくれたから

　君たちが勝利を掴み取ってくれたから
　私はまだここにいれる』



「．．．！」



潔から離れ、その場の全員に視線を移していく




『君たちのおかげで
　私はまだ夢を追える


　ありがとう』



「Aさん．．．」







『これからも私は
　世界一を目指す者には平等に手を差し伸べる


　上を目指すなら

　いくらでも私を利用してくれていい




　もっともっと私を楽しませてよ

　ストライカー！』












＿＿＿
＿＿
＿












「で


　あの馬鹿はどこに行ったのアンリちゃん」



「いや〜．．．


　ちょっと用事があるとかで目を離した隙に．．．」



「．．．」




今後の諸々の話に加え今日の試合のまとめをするはずだったらしいのだが
肝心のAの姿が見えない


また迷子にでもなっているのだろうか．．．？





さて、彼女は一体どこに行ったのか．．．

皆さんお察しベタ展開です










＿＿＿
＿＿
＿













『お待たせ






　冴』






「．．．遅ぇ」






『ごめんごめん』



どうやらAは冴に呼び出されていたらしい



「ん」


『くれるの？』


「お前それ好きだろ」


『．．．うん

　ありがと』



冴が差し出したのはAのお気に入りの抹茶オレ


自販機の横のソファーに並んで座る二人の距離は肩と肩が触れ合うほど近い
無言の時間が続くのに、気まずさなど微塵も感じさせない












「俺は負けた」


『．．．うん』


「お前を連れて行くのは



　．．．今のところは諦めてやる」


『今のところ、なんだ』


「お前を諦めたわけじゃねえ」


『そっかぁ』


「．．．A」


『んー？』


「なんで俺から離れてここに来た」


『．．．私の考えはわかってるんでしょ？』


「．．．」


『眉間に皺


　んふふ、かわい〜』


「．．．俺の役に立てると思ったんだろ」


『．．．』


自身の眉間をつつく指を絡め取り、しっかりと握りこむ

Aはそこで初めて口をつぐんだ




「お前の考えならよくわかってる

　
　たった半年しか一緒にいなかったが．．．
　お前のことは誰よりも理解してる自信がある

　

　．．．それと
　俺を一番理解してるのも、お前だ」



『．．．うん


　うん、そうだね』

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