第37話 ページ39
何やらもにょもにょと何かを言いたげな潔に、Aは不思議そうに首を傾げた
言いづらそうに口をパクパクする潔にAはしびれを切らしたのか
何かあるなら言ってくれていいよ？
と、先を促す
「．．．俺」
やっと決心がついたらしい
「俺は．．．凛よりも、誰よりも
必死にならないとだめなんです．．．」
『．．．どうして？』
「俺が今回レギュラーに選ばれたのは凛がいたからだ
凛がいて
あいつがこのチームの中心で．．．
俺はただあいつに適応しただけ
俺は俺の価値で認められなくちゃいけないんです」
『凛ちゃんに適応したのだって君自身の実力でしょ？
今回は時間がなかったから
だからこの形をとった
私も兄さんも
それが最善だと思ったから
君を選んだのも
君自身に価値を見出したから』
「．．．」
Aがそう言っても、潔はどこか納得できないような表情のまま
『(潔くんの言いたいことはわかる
レギュラーに選ばれたことは嬉しいけど
自分の実力だけじゃない
そう思ってるんだろうな．．．)』
理解はできても納得はできない
潔の心はまさにその状態なのだろう
『．．．』
「Aさん．．．
俺、もう少し．．．」
『潔くん』
「？
は、はい．．．」
もう少し練習をしたかったであろう潔の言葉を遮り、Aは足元に転がっていたサッカーボールを彼の前に差し出した
それを反射的に受け取った潔に、Aはニコリとほほ笑む
『少し．．．お話でもしよっか』
「はい？」
何やら聞いたことのある言葉だ
何を期待していたのか
わずかに上がっていた口角を下げ、潔は頭の上に大量のクエシュチョンマークを飛ばすことになった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 498人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (4月29日 15時) (
レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃（Aru）さん» コメントありがとうございます！そのように言って頂いてとても嬉しいです！！中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃（Aru） - こんなに面白いのになんで伸びないんだ？めっちゃ好きです。応援してます！ (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SHINKAI | 作成日時：2023年3月9日 23時
