第34話 ページ36
『．．．．．は？』
「U−20戦
俺が勝てばこのプロジェクトも終わる」
『っ！』
「ならお前がここに残る理由はねえ
日本の高校生ストライカーなんて
相手にする理由も」
『．．．
あの時の事怒ってるんでしょ
謝るよ
ごめんなさ「違ぇ」．．．っ！？』
謝るため
頭を下げようとしたAの顎をつかみ取り
無理矢理顔を上げさせられる
鼻がぶつかりそうな至近距離で
冴はAの視線を絡めとる
『．．っさ、さえ．．．？』
「あの時のことは今はいい
俺が言ってんのは
こんなところにお前を置いておくのが癪だってことだ」
『．．．』
「わかってんだろ？
お前なら俺の考えてる事くらい
俺もお前の考えくらいわかる
お前が．．．
お前が自分のためだけじゃなくて
俺のためにここに来たことも、わかってる」
『．．．』
「わかった上で言うぞ
戻って来い」
『さえ．．．っ』
掴んだ顎からスル、と
頬に手が滑る
僅かに乱れた黒髪を
冴の左手が優しく撫でる
「お前は俺が見つけた
お前も、お前の才能も俺のだ．．．」
『冴！』
「他の誰にもやらねえ
．．．誰にもだ」
Aの必死の叫びも無視して冴はそう言い切った
Aはユラユラと瞳を揺らし、やがて．．．
『．．．．．
私が欲しいなら
勝てばいい』
「．．．」
『勝って
奪い返せばいいでしょ．．．！』
「．．．．．わかった」
ス、と
冴の瞳に影が落ちた時
背後で扉が開く音がした
「Aちゃーん
着替えたぜー」
この空気になんとも似つかわしくない士道の声に
2人の距離が離れる
「いいか、A」
『？』
「お前は俺の所に帰ってくる
もうどこにも行かせねえ
お前は一生
俺のだ」
『．．．』
まるですでに勝ちが決まっているかのような物言いだ
自信があるのだろう
負けるなど、微塵も思っていない
Aはそれ以上何も言えなかった
遠ざかる背中を、黙って見送るしかできなかった
だって彼女は知っているから
彼の強さを
彼の才能を
あまりにも低い
彼らの勝利の確立を
残酷で無慈悲な
訪れるかもしれない未来を．．．
試合開始まで、あと
15日
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るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (4月29日 15時) (
レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃（Aru）さん» コメントありがとうございます！そのように言って頂いてとても嬉しいです！！中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃（Aru） - こんなに面白いのになんで伸びないんだ？めっちゃ好きです。応援してます！ (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2023年3月9日 23時
