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第11話 ページ13

「なんで糸師冴と知り合いになったの!?
 っていうかどうやって契約にこじつけたの!?」


『こじつけた、って...


 契約とは言ってるけど
 ほとんど口約束なんだよ』


「え?」


『冴が私と契約したこと知ってるのはほんの一部の人たちだけ

 そもそも私と冴は契約をしたけど
 お金の契約じゃないの』


「それって、どういう...」


『アンリちゃんも言ってたでしょ?
 冴は世界で注目される今をときめく大スター


 私みたいな経験もなければ知識も浅い人間が釣り合うわけない


 冴がよくても
 周囲の人間がそれを許さない』


「...」




糸師冴

サッカーをする人間であれば
彼を知らない人間はほとんどいないだろう


そんな彼の背後には大きな権力がいくつもある

彼一人で数億の金が動いているのだ


Aのように無名の
さらに十代の新人トレーナー

資格があってもあまりにもつり合いが取れていなすぎる


大切な選手を
誰が好き好んで任せることができるだろうか





『だから私と冴の間にはお金の契約はしてない

 でも向こうも私の才能は使えると思ってくれたんだろうね


 あくまでも知り合いの人間が口をはさんで
 冴のサッカー生活を手伝っている

 そういう体でなんとか冴のトレーナーになれたの』


「そんな...

 そんなの、都合よく使われてただけじゃ...!」


『あの時の私はそれでもよかった』


「!」


『そもそもスペイン留学は
 トレーナーを目指すための私の準備期間だったから

 冴に見つけてもらったのは私にとって幸運なことだったの』




「そっか...


 でもほんとにどうやって知り合えたの?
 いくら糸師選手がスペインにいるからって...

 そんな簡単に会えないでしょ?」


『うん


 冴とはね...ほんとに運命の連続だったよ』


「...(運、命...)」




少しずつ街を離れ
車は静かな場所に向かって走っていく


夕方になり
西日が車内を橙色に染め上げる




懐かしむように
慈しむように

柔らかな表情のまま
Aは静かに語り出す


愛しい天才との

運命の出会いを...___




___________


愛しい糸師♪
糸師愛おし♪

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るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (2023年4月29日 15時) (レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃(Aru)さん» コメントありがとうございます!そのように言って頂いてとても嬉しいです!!中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(Aru) - こんなに面白いのになんで伸びないんだ?めっちゃ好きです。応援してます! (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2023年3月9日 23時

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