第186話 ページ43
『．．．』
ビスケ達に追いついたAたちは、改めて彼女の実力を目にしていた
あまりにも一方的で、一瞬の攻防
念を使わない戦いで、ビスケは相手の男を圧倒して見せたのだ
「運が良い
念での戦いならあんたを殺してた
今の勝負、どこからはっきり見えた？」
「敵が宙に浮いて逆さになったところから」
「俺も」
「あんたは全部見えてたわよね？」
『え？ああ、うん．．．』
「もしこいつがゲームのキャラクターなら入手難度Dってとこだね
あんた達ならすぐにゲームオーバーだったわね
ここに来て私が知ってるだけでも、すでに2回
あんた達は死にかけてる
この運がいつまで続くかしら」
「ビスケはなんでここに来たの？」
「もちろんゲームクリアのためだけど．．．目的は宝石よ」
『宝石？』
「ここにしかない石があるらしいんでさ
指定ポケットナンバー81“ブループラネット“
あんた達は？」
「当然、ゲームクリアのためだよ」
「実はこのゲーム俺の親父が作ったものなんだ
それで俺、親父を探してるんだけど
手がかりがこのゲームの中にあるんじゃないかと思って」
「あんたの親父さんって？」
「ジン＝フリークス」
ゴンがその名前を出した時、ビスケはひどく驚いていた
どうやらジンはハンター達の中では有名らしく、ネテロ曰く念能力者としては5本の指に入る、と称されるほどの実力者らしい
『(5本の指に入る念能力者．．．
前ヘルが言ってたのは本当だったんだ
あいつやっぱりなんか知ってるな)』
「ビスケ．．．宝探しが後に回ってもいいなら俺たちに念を教えてください」
「ようやくその気になった？
私はウイングみたいに甘くないわよ？
覚悟はある？」
「はい！」
どうやら彼らの師弟関係は無事成立したようだ
その時、ずっと気絶していた男が起き上がった
ビスケは男にカードを全て出すように指示を出し、そして
「チャンスをあげる
2週間、この2人の攻撃をかわすこと
それができたら見逃してあげる
決定打を浴びて悶絶したり、立ち上がれなくなったら．．．あんたを殺 す」
「「『．．．』」」
「攻撃を受けなきゃいいんだな？
奴らがどうなろうと」
『．．．(ん？“2人“？)』
ビスケの言葉に頭を捻っている間に、2週間のルールが決まったようだ
やはり、この修行は2人だけが行うようだ
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年9月9日 19時
